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2019年03月03日07:03

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メリー・ポピンズ リターンズ

アメリカ映画には文句を言いたい面もいろいろあるが、ミュージカル映画については文句のつけようがなく、手放しで素晴らしいという他はない。今回の映画も期待に外れることはなかった、と言うより期待以上で、こんなわくわくする楽しい時間をもったのは久しぶりだ。文字通り夢のような時間を過ごし茫然自失の体、おかげでショルダーバッグを映画館に忘れてきたことに気がつくまでに3時間もかかってしまった。

たいていのミュージカル映画は見逃さないで見ているのだが、オリジナルの「メリー・ポピンズ」だけは観ていない。私がミュージカルに目覚める前に公開された映画だからだが、むしろ観ていないことが、今回の作品を鑑賞するうえで幸いしたかもしれない。ジュリー・アンドリュースの際立った歌唱力と演技を見ていれば、どうしても主人公の人物像の先入観を排除するのは難しかっただろう。

エミリー・ブラントがジュリー・アンドリュースより劣っているという意味ではない。歌唱力においてアンドリュース以上を望むのは無理だが、ブラントの気品ある気高い演技はその美貌と相まってこれ以上はないはまり役のように感じさせるものがある。是非、同じ配役で「リターンズ」のさらなる続編を作ってもらいたいと切に思う。

家に帰って妻に映画のことを熱っぽく語っていると、妻から「あなたって少女趣味ね。」と言われてしまった。そうかも知れない。小さなシネサロンには土曜日だというのに観客は三十人程しかいなかった。その中で男一人で見に来ているのは私だけで、あとは夫婦連れが二組、その他の客はすべて女性だった。

こんな楽しい映画はもっとたくさんの人に見てもらいたいと思った。
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