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2019年01月26日21:33

220 view

ソフィ・カル

企画展示のほか、
◆イヴクライン《青いスポンジ》
◆フォンタナ《空間概念》
なども出ています。持ってますね原美術館。

ソフィ・カル～限局性激痛
＠原美術館

フランスの現代美術家(1953-)。
この作品は一部をみたことがあるのですが
今回は全館あげての完全展示です。

本作は自らの失恋体験がベースになっています。
日本へ３か月滞在できる奨学金を得た彼女が
その終わりに、恋人の変節を、再会の場となるはず
だったデリーのホテルでひとり味わうという出来事でした。

ギャラリーⅡでは
留学の終わり（実は最悪の日まで）をカウントダウンしながら
日本での経験や恋人とやりとりした手紙をまじえて示し

ギャラリーⅢでは
デリーのホテルの部屋を再現

ギャラリーⅣ・Ⅴでは
彼女が体験を様々なひとに語り、相手にも自分が苦しんだ経験を語ってもらう
ことにより彼女がたちなおっていく様子が示されます。

自分の体験
相手の体験談

それが交互にリズムよく展示されていて
彼女の体験も日を経るにしたがって語り方が変化することがわかります。

相手の話はさまざま。
幸福を失った体験や、遠隔にいる恋人の死をさとった瞬間の色の記憶や、
目覚めたら視力を失っていた経験や（このあたりソフィ・カルらしい）、
兄が父親の誕生日に電車事故で自死した経験などなど・・・

いずれも彼女の話のテキストの上にはデリーのホテルの部屋の写真が
相手の話の上にはそのイメージ写真が掲げられていて。

そのなかで写真が空白のものがひとつ。
テキストも印象的でした。

もし僕が不幸を本当に体験したのなら誰にも分けてあげるつもりはない。
昔はいくつもの話があったけれど恥ずかしくて人には話せない。そこから
ストーリーを創り出すと誇張することになってしまう。人によって
不幸に対する才能があるのだ。僕にはその才能はない。それは無関心の
システム、皮肉の装置によるのだろうか。世界が現実のものとなるため
存在するというもっと鋭い感覚を得るため、僕はもっと不幸になりたい。
しかし純粋な不幸に陥ったことは一度もない。いつかはもっと強く
もっと深く苦しみたいと思う。僕はまだ自分の物語に出会っていないのだ。

３月２８日まで。
http://www.haramuseum.or.jp/jp/hara/exhibition/382/

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御殿山の原美術館は、建物が老朽化し、建て替えの法規制もあって
2020年12月の閉館がきまっています。
閉館後は群馬の原・ミュージアムアークに作品が移るようですが
建物と一体化したような
◆宮島達男《時の連鎖》
◆ジャン・ピエール・レイノー《ゼロの空間》
などはどうなるのでしょう。
それにもましてあの空間がなくなるのは惜しい。。。