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2024年05月20日05:09

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空海

曼陀羅が少し身近になったかも。

生誕1250年記念特別展
空海
@奈良国立博物館

【展示構成】
1.密教とはー空海の伝えた曼陀羅の世界
2.密教の源流ー陸と海のｼﾙｸﾛｰﾄﾞ
3.空海入唐ー恵果との出会いと胎蔵・金剛界の融合
4.神護寺と東寺ー密教流布と護国
①高雄山
②東寺と護国密教
③多才なる人ー執筆活動
5.金剛峯寺と弘法大師信仰

展示室に入ると広い空間に大日如来を中心とした五如来が四方を向いて安置され、
壁には巨大な胎蔵曼陀羅と金剛曼陀羅、
その前に据えられた大壇に飾られた法具たち。

空海が唐から伝えた″後七日御修法(みしほ)″の再現です。

今回の展覧会の目玉の一つは
空海が制作にかかわったものとして唯一現存する
◆国宝・高雄曼陀羅
の修理後初公開でした。

つまり曼陀羅を中心にした密教の世界を紹介するもの。
個人的に、これまで曼陀羅と言えば密教の世界観を表すものとわかっていても
平面的なｲﾒｰｼﾞでしたが、改めてその空間に入り込んで感覚が覆りました。

それはさらに密教のﾙｰﾂとしてｲﾝﾄﾞﾈｼｱから運ばれた
◆金剛界曼陀羅彫像群
を見ることで決定的な経験になりました。
手のひらに乗るような小さな銅彫刻でありながら
四方を向いてずらりと並んだ
46体の仏像たち。

第1室に掛けられた
◆真言八祖像

唐の密教は、ｲﾝﾄﾞの①竜猛(りゅうもう)②竜智(りゅうち)にはじまり
③善無為(ぜんむい)、大日経を漢訳した④金剛智(こんごうち)。
それを広めた⑤一行(いちぎょう)、金剛智の弟子で護国修法を行った⑥不空(ふくう)。
さらにその弟子で三代の皇帝に仕えた⑦恵果(けいか)から⑧空海は直接教えを受けました。
つまり奇跡のようなｸﾞｯﾄﾞﾀｲﾐﾝｸﾞで空海は唐に渡ったというわけです。

空海が持ち帰った経典の恐ろしいまでの数が並んだﾘｽﾄ
◆重文・弘法大師請来目録

実際に写された
◆国宝・三十帖冊子
は小型で紐もついている携帯用。

帰国してからの活躍を示す資料も
神護寺/東寺/金剛峯寺から多数。

もちろん三筆の1人として見事な筆もあります。
◆金剛般若経開題残巻
はたっぷりとした″らしさ″にあふれて。

あまりの見どころの多さに
4時間もかかってしまいました。