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2018年12月26日06:44

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 ALSOKのロゴは、最後の「K」の縦棒が「O」と重なって省略されてるようにデザインされています。ところがそれが私にはひらがなの「く」に見えてしまいます。つまり「ALSOく」。もちろんこれでも“正しく”読めるんですけどね。

【ただいま読書中】『ちょっとピンぼけ』ロバート・キャパ 著、 川添浩史・井上清壹 訳、 筑摩書房(ちくま少年文庫14)、1978年(85年3刷)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B000J8Q67E/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B000J8Q67E&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=e59c4252b50ecf445e2faffd927fca92
 目次の前の見開き写真があの有名な「崩れ落ちる兵士」ですが、本書はスペイン内戦ではなくて1942年のアメリカから始まります。無一物でオケラ(手もとにあるのはカメラと空っぽの部屋の停止された電話と5セント硬貨一枚だけ)の著者は、「敵性国人の通知」と「戦場カメラマンとしての契約」を同時に受け取ります。抱腹絶倒のやり取りを続けてなんとか渡英した著者は、重大機密漏洩をしそうになったあと北アフリカに派遣されます。南京虫と戦い地雷原に迷い込み爆撃されて寝ていたテントが吹き飛ばされてもねむり続け、とうとう最前線へ。輸送機に同乗してシシリヤに降下する最初のアメリカ兵の写真を機内で撮影します。ところがそこに届いたのは新聞社からの「馘首の通知」。その通知から逃げるために著者はこんどは飛行機から飛び出してシシリヤに降り立ってしまいます。しかし、アメリカ軍に正式につかまったら、強制送還をされる立場の著者は、戦争の写真を撮りながら敵からもみ方からも逃げ回らなければなりません。しかもその写真を何とか発表したい。発表できたらライフ誌などに雇ってもらえて正式な戦場カメラマンの立場を得ることができますから。
 「ピンキィ」という愛称のガールフレンドとのラブロマンス(の欠片)が絶妙のタイミングで各所に差し挟まれますが、最近読んだ本ではこれは実は半分フィクションなのだそうです。ということは、半分はノンフィクションなんですよね。
 イタリアで戦争に食傷してロンドンに帰還した著者を待っていたのは、恋人とDデイでした。最初の上陸部隊に従軍できる報道カメラマンはわずか4名。著者はその中に選ばれていました。そこで著者は攻撃第一波の歩兵部隊に同行することにします。銃の代わりにカメラを持って、ノルマンディーの海岸でドイツ軍に撃ちまくられるのです。そこで撮影されたのが有名な「キャパの手はふるえていた」の写真です。もしこの時のキャパの行動を指して「意気地なし」とか誹る人間がいたら、キャパと同じ環境に放り込まれたときその人がどのくらい“勇敢”な行動をしてみせるのかを、見てみたいとは思います。他のカメラマンは海岸に近づいてはいないのです。
 パリへの一番乗りをした戦車になぜか著者は乗り込んでいました。これにはスペイン内戦まで遡るお話が絡んでいます。なるほど、著者が本書のはじめからスペイン語にこだわっていたわけがやっとわかりました。ロンドンに戻り、恋人との仲はこじれ、そしてライン河へ。戦争は終わり、本書も終わります。オチとして、恋人との仲が……おっと、未読の人のためにはこれは秘密にしておいた方が良いかな。


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