わけが分からない

あるトピックでいきなり次のように尋ねられた。

「我々の世界は本来『無矛盾な世界』ではなく、『無矛盾な世界』＋『有矛盾な世界』だったと考えれば、すべての謎(アポリア)が解消される、という考えはどう思われますか？」

設問の仕方がとてもアバウトである。いきなり『無矛盾な世界』と言われても意味がわからない。が、あえて『無矛盾』を論理学における意味と解釈すれば、『無矛盾な世界』とは、どんな盾も突き破る鉾とどんな矛も撥ね返す盾が同時に存在し得ないような世界、という意味だろうか？
だとしたら、我々の世界は『無矛盾な世界』と言ってもよいような気がする。
論理的な矛盾がもし存在したとしても、我々はそれを認識することはできない。100メートル競走で走者がスタートする前にゴールした、というような事態が起こったとしても、おそらく我々はそのようには認識できないはずである。

後半の、「『無矛盾な世界』＋『有矛盾な世界』だったと考えれば、すべての謎(アポリア)が解消される」というのは不可解と言うしかない。そもそも、「『無矛盾な世界』＋『有矛盾な世界』」というのは単に『有矛盾な世界』ではないのだろうか？　

「この世界が『有矛盾な世界』であればアポリアは解消する。」というのはどう考えてみても魅力的な考え方ではない。あらゆるアポリアを「世界は矛盾している」というアポリアで覆っただけなのだから。