リサーチ・プログラム

最近リサーチ・プログラムという概念を学んだ。
反証可能性というのが科学であることの要件であるが、科学者は一つでも反証があればその理論を放棄するかと言えばそうでもない。例えば「進化論」という科学理論は「適者生存」をハードコアとする命題群であるとすると、一つ一つの反例に対してハードコアの周囲の防御帯は修正されるが、その改定はハードコアには及ばない、そして改定を重ねながら進化論は厚みを増していく。
時には、どうしてもハードコアの改定を迫られるような反証が見つかることも考えられる、それがパラダイムの変換ということになる。
ひとまず、科学者は「適者生存」を反証を許さない（とする）ハードコアであるとするとき、「進化論」はリサーチプログラムと呼ばれる。

そのように考えると、「科学全体が因果律をハードコアとするリサーチ・プログラムである」と言えるのではないだろうか。