「論理哲学論考」より
6.13 論理は超越論的である。
6.421 倫理は超越論的である。
どちらも原文は transzendental である。
野矢茂樹の「『論理哲学論考』を読む」によれば、奥雅弘は倫理の方は「超越的」、永井均は論理は「先験的」倫理は「超越論的」と訳し分けているらしい。
論理が超越論的であるというのは納得できる。しかし、倫理はどうみても超越的としか思えない。この辺のウィトゲンシュタインの思考回路は私には見当もつかないが、ユダヤ・キリスト教文化の中で育った人はその倫理的なくびきから逃れられないのではないか、という印象をぬぐい切れない。
いずれにしろ、私はウィトゲンシュタインほど倫理的な人間ではないことは間違いない。
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