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2018年11月28日23:13
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酒場12「鴇 小公子」
�々盖蕁�
��中庸。紫の風合いがある。アシがかなり長く、動かない縁をじっと見ていると、不意に涙のように降ってゆく。香る。しかし独特。わたしの鼻がイカれているのか、芋焼酎を清水で割ったような匂い。嫌いじゃない。が匂いだけではワインとは気付かないかも知れぬ。しつこく嗅いでいると、あ、確かに匂いがある。葡萄と非なる、山葡萄を感じるのは事前に情報を得てしまった脳の思い込みであろう。…芋焼酎。、ざらつくような香りも不快では決してなく。
�０杣仝気�ら来た7点。言うほど多くのブドウ酒を飲んで来てはいないが、「鴇 小公子」は異質。余韻はさほど無い。だが含んだ時の一撃の凄まじさが記憶になって幻影の余韻を創る。あと、めっちゃ酸っぱい。獣臭。醤油とか出汁とかひなびた旅館感がガツーンと来て冗談の様にさっと去る、小鼻の脇に汗をぐんぐんと湧かせて去る。美味いのか不味いのかも分からないほど凄い。
これは面白い、本当に面白いブドウ酒である。
ただね、高いんですよ。
これでもう一声、お値打ちなら異次元8点も献上したいのだが、同価格帯には強豪がゴマンとある。
鴇の、刻印なき、親指の第一関節ほど短くイビツなコルク。我が不遜が、それへのいとおしささえ覚えた。
コレをしげしげと眺めていると、安くしてよスクリューキャップにして、安く、とは言えなくなる。この価格である理由があるんだ。日本ワインどころじゃない、秋田ワインであるもの。
駄文を重ねる時に連れ、芋焼酎感も酸味も変わらんが余韻へ、小振りな蕾が淑やかに開きつつある。気がする。
はっきり言って日本ワインまして秋田ワインを完全に舐めくさっていたが、「鴇 小公子」は異次元からの刺客。美味い不味いを飛び越えてこの胸に刺さった。
清酒の質は言わずもがな、適当に選んでどれも美味い。
逆にゆーとサケが美味い以外に何もない、地獄県。
よもやブドウ酒の夜明けまで来るのか！と感じさせた鴇その無茶苦茶なポテンシャル。
できたらもうちょい安くならない？
とは言わない。
よって異次元7点。
舐めるようにケチった、三日目もまったく色褪せぬ「グルフィ ネロイブレオ」最期の一滴も傍らに置きつつ。
気分はハーレムの王である。
鴇は明日はどう変わるのか、変わらぬのか。
きっと変わらないと思う。わたしもきっと、変われない。肥大した肝臓を抱えてアレが美味い、コレがどうたら、
と、もにゃもにゃと呟いている。
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