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2018年11月12日07:26

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換骨奪胎

 クリスマスはケーキやプレゼントの日になったし、聖バレンタインは義理チョコの日。ハロウィーンは仮装と狂騒。西洋から日本にやって来たものは同じ呼び方をされてもみごとに中身はすり替えられてしまうようです。すると、たとえば民主主義は?

【ただいま読書中】『おばあちゃんは大どろぼう?!』デイヴィッド・ウォリアムズ 著、 三辺律子 訳、 きたむらさとし 絵、小学館、2013年、1500円(税別)
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 ベンは、毎週金曜日の夜はおばあちゃん(キャベツの体臭、キャベツの臭いのおなら)の家に預けられることが苦痛でした。両親から「配管工になりたいだなんてとんでもない。自分たちの夢、社交ダンスのダンサーになりたい、をベンがかなえてくれ」と将来の夢を押しつけられることも。それでも皆をがっかりさせたくなくて、ベンはしぶしぶ表面上は両親やおばあちゃんに合わせています。
 そんなベンの苦痛に満ちた日常は、ある日、おばあちゃんの台所のクッキー缶の中身がたくさんのダイヤモンドであることを発見した日に、変わります。平凡なおばあちゃんが、なぜこんなにたくさんのダイヤモンドを持っている?
 ベンに問い詰められたおばあちゃんの告白は、驚くべきものでした。世界を股にかけ、インドのマハラジャ、ロシアのエルミタージュなどから素晴らしい宝飾品を次々盗んだ怪盗だった、というのです。ベンは目を丸くして話に聞き入ります。所々つじつまが合わないところがありますが、それは年を取って記憶がぼやけているのでしょう。ただ、どんな大泥棒でも手が届かない宝石がある、とおばあちゃんは言います。イギリスの戴冠用宝玉です。
 そこで「配管工になりたい」というベンの希望が役に立ちます。ロンドン塔の配管の知識が、絶好の侵入ルートを示してくれたのです。おばあちゃんとベンは、まんまとロンドン塔に侵入してしまいます。狙っている戴冠用宝玉まではあとちょっと。ところがそこに意外な人物が現れ、さらに意外な真実が。
 とってもばかばかしくて大笑いの話なのですが、話の底には大切なものが横たわっています。ベンが成長するきっかけとなった「思い」を、私たちももう一度見つめても良さそうだ、なんて感じました。
 あ、そうそう、この本は、クリスマス頃に読んだら“効果"が倍増するかもしれませんよ。


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