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2018年10月25日20:35

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「私たちはどこから来て、どこへ行くのか」

読書日記
「私たちはどこから来て、どこへ行くのか」
森達也
 著

生粋の文系を自認する筆者が、主に生物学者を中心に最先端の科学者に生命の根源的な謎を問いかけたインタビュー集。福岡伸一・池谷裕二・竹内薫などおなじみの顔ぶれも。ビッグバンから始まった宇宙において、偶然であるにしてもあまりにも不思議な人間の誕生、そして自分の死。人間原理に陥ることをできるだけ回避しながらも、最新の分子生物学・脳科学・理論物理学は素人の疑問にどう応えるのか。

いくら文系の人間だからといっても、科学者に質問するのにあまり馬鹿なことは聞けず、あるていど勉強していなければならない。私など興味本位につまみ食いするだけで系統立て学習することができない人間からすると、森達也はさすがにたいへんよく勉強している。それでも全体を通して得られる感触はすごく納得出来る雰囲気で、ああやはり文系から探る理系の著作はこの範囲なんだなと思う。ここから先は各分野を専門的に研究していかなければならず、我々は周辺でうろうろするしかない。それでも少しは蒙は開かれた。

近ごろは遺伝子主体の話ばかり聞いていて、団まりなの階層生物学の話はやっと細胞本位の話がきけて快感だった。藤井直敬の社会的脳科学、身体性を超えて外部との相互作用によって意識が生まれてくることも新鮮だった。
福岡伸一や池谷裕二は相変わらずのおもしろさ。
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