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2018年10月21日07:36

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訴える力

 誰かの心に訴えようとするとき、私たちは「感情」「信念」「論理」などを使います。ところで「強い感情」を使った場合、別の人が「もっと強い感情」を使ったら自分の訴えが無効化される恐れがあります。「信念」の場合も「別の信念」をぶつけられたら、やはり無効化(あるいは状況が膠着)になってしまう恐れがあります。では「論理」だったら大丈夫? 真は偽に勝つはずです。ところが「論理が通じない人」には「論理」は通じません。特に最近の政治の世界ではこの手の人間がずいぶん増えているように見えます。これ、野蛮時代に戻ろうとしているようで、そのことに私は危惧を抱いています。

【ただいま読書中】『100年企業、だけど最先端、しかも世界一』泉谷渉 著、 亜紀書房、2007年、1600円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4750507164/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4750507164&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=95fbc8bcd6c19b3d4037c8f34d9ceb62
 「100年以上存在している企業」が日本には10万社もあるそうです。そこに注目した本はいくつも出ていますが、本書は「100年以上」「世界最先端技術で勝負している」「世界でトップシェア」の3つを揃えた企業を紹介しています。「単に古いだけじゃないぞ」ということでしょう。
 ただ、前書きで「100年以上操業している」あるいは「100年以上前に創業している」を「100年以上創業している」と書かれると、この本、大丈夫か?(100年くらい保つのか?)なんで心配も感じてしまいます。
 各章は「繊維」「印刷」「ガラスと鉄」「ものづくり」「オールドエコノミー」「アルコール」「金属・鉱山」「石炭」とまとめられ、それぞれ数社ずつが紹介されています。
 「繊維」でまず登場するのは福井の「セーレン」。繊維が斜陽となりオイルショックや円高不況で潰れかけたときに、一発逆転の巨額設備投資をしたのが大成功、結局カネボウの繊維部門を買収してしまいました。これによって、企画・製糸・加工・小売りまですべてを総合的に手がけるようになり、たとえば「オーダーメイドの水着」を注文から2週間以内に届ける「ビスコ水着」なんてものが可能になっています。かと思うと、電磁波シールド材用のポリエステル糸(銅とニッケルの複合材)では世界トップシェア。
 そのほかにも、旭硝子、薩摩酒造、東芝、など馴染みのある名前の企業が意外な歴史や業績を持っていることが次々紹介されます。ただ、前書きで感じた嫌な予感はずっと本書を通じて響き続けていました。ビジネス書だからかもしれませんが、文体がどうにも私の好みと不協和音を奏で続けるのです。もうちょっと格調高く、とは言いませんが、せめて俗語表現をもう少し減らしてもらえたら、読みやすかったんですけどね。


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