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2018年09月29日09:22

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映画『 ザ・プレデター 』


公開2週間で上映回数が減って来ていたし、マイミクさんから何やら「 今回はダメらしいですよ 」と聞かされていたので、期待せずに出かけた『 ザ・プレデター 』だったが、いや、正直驚いた。ダントツで、シリーズ最低のクオリティだった。まさか、脚本がこれほどグダグダで、素人が趣味で書いた出来の悪いファンフィクションレベルだったとは夢にも思わなかったよ。どんな展開になるのかわくわくしながらスクリーンに集中していたが、どんどん冷めて、ついに一度も気分が高まることなく終わってしまった。

 この先、ネタバレ全開なので先入観なしに映画を観たい方はご注意願いたい。












 なんせ、この映画で一番面白かったのは、地球外生命体(プレデター)の研究と捕獲を目的とした政府機関(スターゲイザー)の秘密基地で最初に入った部屋がそのまま巨大なエレベーターになっていたのだが、デスクに座った警備兵が「 部屋が伸びているのか、それとも目の錯覚なのか・・・ 」と来訪者に言うシーンなのだった。もちろん、東京ディズニーランドのホーンテッドマンションで流れるナレーションの台詞である。このシーンだけは笑ってしまったが、『 ザ・プレデター 』はこのレベルのジョークがテンコ盛り。もともと本作は緊張感のあるストーリーではないのに、こういうつまらない遊びが多過ぎて、シラケてしまった。

 第一、この映画には「 プレデター愛 」がまるで感じられない。プレデター映画の良さとは何かと言えば、人類がまともに対抗できない「 圧倒的な強さ 」に集約されるだろう。プレデターの絶対的優位の背景にあるのは、�〇僂鮗�囲に完全に溶け込ませる「 光学迷彩 」と��肩に載せた超強力な「 プラズマキャノン 」、そして、�1�れている人類の姿を夜でもはっきり識別する「 サーモグラフ 」だが、これまでシリーズ作品では「 姿が見えない敵 」であることがプレデターと戦う人類には最も驚異だった。まず、相手が見えないという事実に辿り着き、そこから、見えない(識別しにくい)敵の姿を捉えて初めて戦えるという手順を踏んでいる。その、シリーズのお約束を『 ザ・プレデター 』はあっさり捨ててしまったのだ。主人公クィン・マッケナ大尉は遭遇したその瞬間から、光学迷彩に包まれているにも関わらず、プレデターの姿をはっきりと捉えている。しかも、彼はその姿に全く驚かない。正体不明の敵に遭遇したら、驚いて当然のシチュエーションであるのに、まるで「 そういう敵が登場する 」と事前に知っていたかのようだ。見えないはずのプレデターが見えており、最初から通常の小火器で戦えるのだから、この作品のプレデターはシリーズ最弱の敵である。「 宇宙最強 」などでは決してない。

 脚本は前述の通りのレベルだが、プレデターを愛するファンなら、もう少し物語の起承転結をうまく書くだろう。物語全体がグダグダに感じてしまうのは、あまりにも都合の良い展開が大した説明もなく、どんどん進んでしまうからに他ならない。主人公マッケナ大尉が特殊作戦に従事する優秀なスナイパー(しかも、カウンタースナイパー)という設定は良いとしても、冒頭の人質救出作戦のお粗末さはどうにも哀し過ぎる。命令を待たずに犯人を狙撃開始するほど判断力のある彼が、一人目の犯人をヘッドショットした後、飛来するプレデターの脱出ポッドを回避するため自ら崖を転がり落ちるが、それ以降、肝心の人質救出作戦の顛末は描かれない。残された誘拐犯と人質達の運命はどうなっちゃったの?? 作戦行動中の軍人なんだから、犯人と人質がどうなったか、救出チームの仲間(部下)のこと以上に気にするだろうに・・・。

 脱出ポッドで発見したプレデターのマスクと腕に装着する兵器(ガントレット)を鹵獲し、「 異星人の存在の証拠 」にしようとしたのはわかる。チームの仲間を殺した濡れ衣を着せられ、逮捕されたのも良いだろう。政府の秘密機関が「 異星人存在 」の事実を秘匿するため主人公を拘束しようとする意図も理解しよう。しかし、主人公が家族を巻き込まないために私書箱に送った荷物(プレデターのマスク、ガントレット入り)が私書箱費用の未払いのために家族のもとに配達され、それを奥さんが注文したゲームと勘違いして、息子に与え、発達障害(サヴァン症候群)で人間離れした能力をもつ息子がプレデターのコントロール装置の意味を理解して、自在に操ってしまうというのはあまりに都合良すぎるだろう。普通は、プレデターの存在した証拠を提出して身の潔白を明かそうとするはずだ。最初から、「 家族を巻き込まないため 」って、何を予測していたのか?

 物語の鍵となる、脱出ポッドで地球にやって来た旧来のプレデター(字幕では「1号」と出る)が仲間を裏切って、人類に何かを届けようとした意図も不明だ。脱出ポッドから出たプレデターが主人公達特殊部隊を襲った理由(しかも、部下の一人は死体をわざわざ逆さ吊りにされている)や、深い眠りから覚めた彼が研究所の人間たちを殺戮するのも全く意味がわからない。彼は人類を助けるために来たんじゃなかったの?? 脚本が粗いというか、ほとんど破綻している。

 物語を単純に、プレデター対主人公達とすれば救われたのに、主人公達と政府秘密機関(スターゲイザー)との対立、プレデター同士の対立(旧来のプレデターと、大型の新種プレデター)まで持ち込んでしまった上に、それぞれを上っ面しか描いていないから、まるで物語にのめり込めない結果となった。プレデターを研究し、捕獲しようとしていながら、特に秘策も装備もないスターゲイザーは『 プレデター2 』のFBI・キース特別捜査官の作戦チームより大きく後退している。人間同士の対立ではなく、主人公達と政府機関が連携協同して、プレデターと戦う構図にすべきだっただろう。プレデターファンからすれば「 無残な出来 」だが、ラストに「プレデターキラー」という特殊スーツが登場したことからして、無謀にもシリーズ化を狙っているようだ。プレデターが翻訳機で人類と会話したり、孤高のハンターの姿からはほど遠い。これ以上おかしな路線を進んで、シリーズの名を汚すのはやめてほしい。

 最後に、今回のプレデター像について、一言。「 過去作に比べ鈍重・カッコ悪い・弱い・軟らかい 」。もはや、プレデターじゃない。

■関連日記
『プレデター:最凶頂上決戦』
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990146878&owner_id=6007866
『プレデター』と『プレデター:ザ・プレイ』
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『プレデター:ザ・プレイ』
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986656496&owner_id=6007866
『プレデターズ』
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