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2024年01月01日07:40
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「プレデター」と「プレデター：ザ・プレイ」
Disney+で観た『プレデター：ザ・プレイ』が素晴らしかったせいで、仕事の合間に3回も観てしまった。確かに、この作品はシリーズ前4作品にはない、不思議な魅力に充ちている。第一作から遡ること260年前の北米の大自然という舞台設定も良ければ、プレデターと戦う主人公ナルたちがネイティブアメリカン（コマンチ族）ということも大きな魅力だ。銃器を知らず、鉄器すら持っていない「石器時代」の狩猟民族である彼らが、弓矢、槍、投げ斧という原始的な武器で、プレデターに対抗する。プレデターシリーズファンにとっては、実に興味深い設定だといえる。しかも、物語は大自然と、そこに生きるコマンチ族の生活を丁寧に、描くことに尺を割いている。マイミクのmackさんが本作を「プレデター映画という括りで片づけてしまってはもったいない」と称されているのも納得である。
『プレデター：ザ・プレイ』が面白かったので、同じくDisney+で第一作『プレデター』を久しぶりに観た。当たり前のことだが、やはり、抜群に面白い。主人公ダッチ少佐（アーノルド・シュワルツェネッガー）率いる救出作戦専門の特殊部隊が南米の密林で作戦を遂行したあと、未知の敵に襲われ、対決するという設定が効いており、登場人物もみなキャラが立っている。以下、第一作『プレデター』の特徴を箇条書きにしてみる。
�．瀬奪曽�佐ら特殊部隊がいかに精強かを、ゲリラ基地奇襲によって見せている。
�¬っ里覆訶┐任△襦屮廛譽妊拭爾両霾鵝廚鮠�出しにしている。
��ダッチ少佐と旧知のグリーンベレー隊員のグループがあっけなく惨殺され、敵の残虐さと嗜好を見せている。グリーンベレー達は優秀で「敵に包囲されるような奴ではない」。
�ぁ峪僂慮�えない」プレデターの気配に気づいたダッチの優秀な部下達が怯え、おかしな言動をするようになる。
�ド�下たちがひとり、またひとりと抵抗する間もなく殺され、亡骸をプレデターに奪われる。
�Ε廛譽妊拭爾料世い�自分たちを「一人ずつ狩る」ことだと気づいたダッチ少佐は逃げるのではなく、「踏みとどまって戦う」以外に助かる道はないと悟る。部下達と協力して、敵に罠を仕掛ける。
�Д廛譽妊拭爾鱠�にかけることに成功する。しかし、逆襲され、とても太刀打ちできる相手ではないことから、ダッチ少佐はついに脱出することを決意。しかし、部下はその過程で全滅する。
�╋綮爐飽貔犬鯑世織瀬奪曽�佐は「プレデターと対決」する道を選ぶ。狩られる者が狩る者へと攻守逆転する。
こうしてみると、『プレデター』は物語として非常によくできている。序盤では、完全に戦争映画の様相をとっていながら、光学迷彩やプラズマキャノンなどプレデターの圧倒的な科学力の暴露によって、突如、SF映画に変化させた。それでいて、現代の特殊部隊と宇宙人（プレデター）の対決に全く違和感を感じさせない。傑作である。サントラを担当したアラン・シルヴェストリの独特なスコアも緊張感に溢れていて、素晴らしい。
『プレデター』の面白さは、アーノルド・シュワルツェネッガーの存在感の大きさ、魅力によって大いに増幅されている。序盤のゲリラ基地奇襲シーンで、ダッチ少佐が頼もしい指揮官であり、同時に優秀な軍人であることも充分に描かれ、彼ならばプレデターとの一対一の対決に勝てるかも知れないという不思議な説得力がある。
対する『プレデター：ザ・プレイ』はどうか。『プレデター』と比較すると、物語は案外、平易に感じる。これは第一作がプレデターという敵を最大限、魅力的に描いたのに対して、『プレデター：ザ・プレイ』がすでにシリーズを観ていることを前提に制作しているせいでもあると思う。『プレデター』では未知なる敵の予兆と、その敵が「目に見えない」ということをきちんと丁寧に描いているが、『プレデター：ザ・プレイ』は敵が目に見えない点について、登場人物の誰もが抵抗なく受け容れているのは惜しい。普通に考えれば、姿が見えない敵であることが最も驚異であり、脅威のはずだ。このあたり、現代人に比べ、大自然に生きる18世紀のネイティブアメリカンの方が「未知なる存在」に対する許容力、適応力がはるかに高く柔軟であると理解すべきかも知れない。
というわけで、謹賀新年。2024年も気ままに日記を書いていきますので、よろしくお付き合いください。
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