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2010年08月16日07:34

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映画『 プレデターズ 』

上映終了間際に、駆け込みで『 プレデターズ 』を観た。劇場で予告編を観た時から、B級の匂いが濃厚であったが、『 プレデター 』ファンとしてはB級どころかC級であろうとも、絶対に見逃すわけにはいかない。結果的には「 突っ込みどころ 」満載で、脚本的にも詰め込み過ぎて巧く機能していない残念な出来だったが、この映画には第一作への並々ならぬ畏敬の念が込められていた。第一作を愛する余り、「 自分たちの手で正統な続編を作りたい 」という真摯な思いに駆られて制作したに違いない。シリーズを熟知するファンなら、この映画の端々に観えるオマージュに気づき、思わず微笑んでしまうだろう。『 プレデターズ 』がプレデター愛に満ち溢れている以上、瑣末なことにこだわらずこの映画を容認せざるを得ない。生真面目に作られた、実に素晴らしいB級映画である。

 物語は、空中を落下する一人の男(エイドリアン・ブロディ)が意識を取り戻すシーンから始まる。彼は必死の思いで落下傘を開くと、間一髪で地上に墜落死するのを免れた。男は元米兵で、世界の紛争地帯を転戦する優秀な傭兵だった。降下前の記憶が一切ないことをいぶかしみながらも、次々と周囲に落下して来る見知らぬ男達と合流。最初は互いに疑心暗鬼な彼らだったが、やがて、何者かが彼らを拉致し、このジャングルの上空で放り出したのだという点で意見がまとまる。男は傭兵、イザベル(アリシー・ブラガ)はイスラエル国防軍で鍛え上げたCIAの女性スナイパー、クッチーロ(ダニー・トレホ)はメキシカンマフィアの凄腕殺し屋、ニコライ(オレッグ・タクタロフ)はロシア軍特殊部隊スペツナズ隊員、モンバサ(マハーシャラルハズバズ・アリ)はRUF革命統一戦線兵士、ハンゾー(ルイ・オザワ)は日本やくざの殺し屋、スタンズ(ウォルトン・ゴギンズ)は36人の連続殺人罪でFBIから最重要指名手配されていた死刑囚。いずれも、傑出した「 殺しのプロ 」だ。唯一の例外、エドウィン(トファー・グレイス)は科学知識と冷静な判断力をもつ医師で、彼だけがただ一人民間人だった。

フォト

 不測の事態に対処するため、合流した仲間達との結束が不可欠だと主張するイザベルに対し、男は名前も名乗らないばかりか、どこまでも単独行動を貫こうとする。この場所がどこなのか見極めようと、ひたすら高所を目指す男に、イザベル達は付いて行くが、その途上、ジャングルに張り巡らされた緻密に構成されたワナに迷い込んでしまう。からくも危地を脱出した男達は、ワナの中心で米軍特殊部隊兵士の亡骸を発見。男は、この兵士が「 何者かを仕留める最後の賭け 」としてワナに命を託したのだと見抜く。プロ中のプロである特殊部隊兵士を追い詰め、ワナにかかることなく彼を惨殺したのは何者なのか・・・。ついに、男はこのジャングルが猟場であり、自分たちが狩りの獲物として送り込まれた「 猛獣 」に過ぎないことに気がつくのだった。

 この先はネタバレのため、未見の方はご遠慮願いたい。











 集められた戦闘のプロ達の武器を見ただけで、『 プレデターズ 』が第一作を真面目に踏襲しようとする姿勢がはっきりと伝わる。ニコライは手持ちのチェーンガン(必殺の無痛ガン)、クッチーロはH&K MP5二挺を両手に構えている。ただし、プレデターと戦う上で、これらが全く効果的に使われているとは思えないのが惜しい。少なくとも、チェーンガンは最初から登場させるべきではなかった。また、第一作のダッチ少佐(A・シュワルツェネッガー)率いる優秀な救出部隊が見事な組織力を見せたのに比べ、『 プレデターズ 』では寄せ集めの上に、男(A・ブロディ)がチームワークを否定しているのだから、最初から対プレデター戦闘が盛り上がらないのは見えている。男がなぜ単独行動にこだわるのか、最後まで謎が明かされないこともあって、この設定は失敗だ。男が寄せ集めのチームをうまくまとめ、個々の戦闘能力を結集して頭脳的に戦うことの方が物語を間違いなく面白くしただろう。圧倒的戦闘力をもつ未知なる敵に対抗し生き残るためには自分のこだわりを捨て、仲間と連係することは必然だ。それができない時点で、男の戦闘センスの限界なのだ。チームワークにこだわるイザベルの、天才スナイパーぶりが十分に発揮できなかったことも含め、脚本家達に軍事的知識が不足していたのは明らかだ。個々の力をまとめ、より効果的な戦力を発揮する上で指揮官(リーダー)は戦闘部隊には絶対不可欠な存在である。それは傭兵でも全く同じだ。この映画の戦闘は派手だが、戦術が描かれない点でプロっぽさが希薄になってしまうのは避けようがない。第一作がいかに優れていたか、シュワルツェネッガーがいかに偉大であったか、つくづく思い知らされる。

■関連日記
『プレデター』と『プレデター:ザ・プレイ』
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『プレデター:ザ・プレイ』
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『 ザ・プレデター 』
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『プレデターズ』
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