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2018年08月04日07:00

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速報

 文字通りに解釈すると「正確性や真実性の確認やその意味づけなどではなくて『とにかく速く報じること』にだけ価値を持ったニュース」となります。
 ところで「速報」を鵜呑みにすることに慣れた人間は、デマもまた鵜呑みにしてしまいません? 「速報」って、「ある程度正しいデマ」とも言えそうですから。

【ただいま読書中】『世界をまどわせた地図 ──伝説と誤解が生んだ冒険の物語』エドワード・ブルック=ヒッチング 著、 関谷冬華 訳、 井田仁康 監修、日経ナショナルジオグラフィック社、2017年、2700円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/486313391X/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=486313391X&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=a16eae1cb91fa70a4e8a6f313f598f7e
 「プレスター・ジョン」とか「アトランティス大陸」とか「不思議な伝説」は世界の歴史の中にたくさんあります。ところがそういった伝説やデマを「実際の地図」に書き込んでみた人がいて、しかもそれが「本当の地図」として流通して信じる人を多く生んでしまった事例もたくさんあるのだそうです。本書にはそういった「地図」とその解説がどっさり集められています。これだけの「実物」を集めるには、相当の根気と努力が必要だったことでしょう。
 面白いのは、「地図」に「そこに住む不思議な生物(6本腕の種族、単眼族、巨人など)」もリアルに書き込まれたものがあることです。たとえば「ガリバー旅行記」を「真実のルポ」としてそれをそのまま地図化したらこんな感じになるかな。
 カリフォルニアや朝鮮半島が「島」として描かれた地図もあります。たしかに「半島」と「島」をきちんと区別するのは大変だから(私は「間宮海峡の発見」でそのことは頭にたたき込んでいます)その区別が難しい、はわかります。わかるのですが、一度「カリフォルニアは半島である」が確定した後になって、まるで蒸し返すように「カリフォルニア島が載った地図」が作られるのは、どうしてなんでしょうねえ。
 「存在しない島」の記録もたくさんありますが、これは「見間違い」「勘違い」「思い込み」「測量のミス」など様々な要因が絡んでいるようです。ただ、「珊瑚海東部のサンディ島(セーブル島)」が1876年に捕鯨船に“発見"されて2012年まで正式な海図にも記載されていて、最終的に「存在しないこと」が確定するまで136年もかかった、と聞くと、「昔の人は……」なんてことを軽々しく言わない方が良さそうだ、とも思いました。もしかしたら私たちも「惑わせる地図」や「惑わせる情報」を現在でも無条件に信じているのかもしれません。


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