mixiユーザー(id:235184)

2018年07月26日06:30

163 view

スクリーンセーバーの新しい使い方

 昔のブラウン管モニターの場合には必須のアイテムだったスクリーンセーバーも、現在のパソコンでは過去の遺物となってしまいました。なってしまった、と思っていたのですが、最近の「Aerial」というスクリーンセーバーを試してみたら、これが良いですねえ。高画質の空撮の映像がスローで流れていくだけなのですが、その美しさに見入ってしまいます。スクリーンセーバーを鑑賞する、というのは本末転倒のような気がしますが、この美しさを鑑賞するためにわざわざ起動させてみたりして「自分は一体何をやっているんだろう」と思ったりして。ここで「空撮」というところにも何か“値打ち"があるのかもしれません。「自分が知らない世界」を見る楽しみかな。

【ただいま読書中】『グッド・フライト、グッド・ナイト ──パイロットが誘う最高の空旅』マーク・ヴァンホーナッカー 著、 岡本由香子 訳、 早川書房、2016年、1800円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4152096039/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4152096039&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=ae85bc3f0b4bf35bc951cce6ec252f45
 本書でまず特徴的なのは「国際線ジェット機パイロットのエッセイ」であることですが、内省的でややウエットな文体から私が連想したのは、アン・モロー・リンドバーグのエッセイでした。あ、彼女もまた「パイロット」でしたね。もしかして「空の人」には独特の世界の見方と文体があるのかもしれません。
 あまりに短時間で長距離移動をした場合、「タイムラグ」があるように、「プレイスラグ」が生じる、と著者は述べます。自分があとにしたはずの場所をまだ引き摺っていて、新しい場所に容易になじめない感覚です。しかもパイロットは、そこに慣れるための時間さえ与えられません。すぐに(あるいはせいぜい一泊して)次の目的地に出発なのです。タイムラグとプレイスラグはパイロットに孤独感を与えます。しかし同時に、遠くの人々との繋がりや世界を広く見聞する経験も与えてくれるのです。
 空には地上とは別の「地図」があることや、パイロットによって飛行機の好みが大きく分かれることなど、パイロットならではの話題が次々登場します。印象的なフレーズも次々登場しますが、私が興味深かったのは「飛行機が飛ぶのではなくて、翼が飛んでいて、機体は両方の翼につり下げられているだけ」という意味の文章でした。いや、科学的には正確な内容ですが、そのイメージがずいぶん詩的に感じられたものですから。
 空には「水」がいっぱいある、という章では、航空業界には「海の言葉」がやたらと使われていることも紹介されます。ということは飛行機は空飛ぶ船だった?
 所々に日本が登場して、それで親しみが増す気がしますが、それがないとしても素敵な本です。一読の価値あり。一緒に“飛"べた気分が味わえます。


1 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年07月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031