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2018年07月08日06:51

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水の道

 水は低きに流れるものですから、「そこ」に豪雨がなくてもその「上」で豪雨があったら「そこ」で水が溢れるのは良くあることです。で、集中的に水が流れる可能性がある「水の道」をハザードマップに表示しておけば非常に有用でしょう。すぐに役立つのは「我が家や避難所が濁流に襲われる可能性があるかどうか」を判断できることですが、もう一つ、避難勧告などで避難所に向かう経路が水によって寸断される可能性があるかどうか、も判断できます。これがあらかじめわかっているかいないかで、生きるか死ぬかが分かれることもあるでしょうから。

【ただいま読書中】『狂気の科学 ──真面目な科学者たちの奇態な実験』レト・U・シュナイダー 著、 石浦章一・宮下悦子 訳、 東京化学同人、2015年、2100円(税別)
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 原題はドイツ語で「Das Buch der verrückten Experimente」。「verrückten」はドイツ語では最大級の侮蔑語になるそうですが、実際の使い方は英語での「crazy for you」「crazy for chocolate」の「crazy」と似ているそうです。
 タイトルに「狂気」とありますが、本書には「ナチの人体実験」といったタイプのものではなくて「科学者自身は真面目に取り組んでいる科学実験だが、常軌を逸したくすりと笑えるもの」がたっぷり詰め込まれています。訳者のお好みは「1948年 クモの実験」で、コーヒーを飲ませたらクモが巣を上手く張れなかった、というもの。私の一押しは、「1837年 バスーンでダーウィンをご紹介」「1845年 列車の上のトランペット吹き」「1979年 自由な「意志の拒否」」……あ、一押しじゃなく3つ押しちゃった。
 こういった「奇妙な実験」を集めた本はいろいろあります(私のこの読書日記でも今までにいくつか紹介した覚えあり)。ただ本書に「ひと味違う風味」を添えているのは、「被験者への視線」です。セックスがらみだったら「脈拍をモニターする装置をつけたまま性行為を最初から最後まで行う」「MRIの中でセックスをしていて突然『はい、そこで息を止めて』と言われて体の内部の撮影をされる」なんて目に遭った「被験者」。論文ではただの「被験者」になりますが、本書の著者はそこに「人間の存在」を認めています。「実験そのもの」や「科学者」に注目するふつうの科学史の本とはそこがひと味違うのです。


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