mixiユーザー(id:21651068)

2018年07月07日19:29

739 view

ブリジット・ライリー

なんとなく七夕にふさわしい。

ゆらぎ
ブリジットライリーの絵画
@DIC川村記念美術館 

フォト


ブリジット・ライリーは1931年ロンドン生まれの現存作家です。 
チェルトナム女子大学、ゴールドスミス大学、王立芸術大学に学び 
点描のスーラに影響を受けました。 

彼女が60年代から制作しているだまし絵のような作品はオプ・アート とよばれ、
人間の視覚が脳生理学的に生じさせる錯視を利用したものです。 
画面いっぱいに描かれたストライプや格子は静止しているはずなのに 揺れ動いたり、平面のはずなのに波打ったり引き込まれていくかのように見えます。 

《朝の歌》(1975DIC川村記念美術館蔵) 
フォト



今回の展覧会では時系列を追って31点もの大作で制作の軌跡を一望できます。 
ポスターにあるような初期のモノクローム作品。 
そこから次第にカラーバリエーションを広げ、はじめ灰色、次いで原色へ。 
色が豊かになるにつれ、かたちはシンプルなストライプになっていきます。 
近年はストライプと弧を組合せますます2次元を越えた作品に。 


だまし絵といってもエッシャーのような具象でなく 
ストライプといっても山田正亮よりグラフィカル。 

ストライプのシリーズでは鮮やかな色が繰り返され
リズムをつくります。

 
《午後》(1981個人蔵)
 231x197の大作。
紺・くすんだピンク・白・金茶・グレイッシュな青緑・紫が 太細さまざまなストライプで整然と並びます。
その数112本。 だからといって機械的でなく、
マスキングテープさえ使わないというのは驚き。 

《ベルセポネ2》(1970個人蔵)
 217.5x168.3 とストライプシリーズではやや小ぶり。
個人的に一番好きだったものです。
 上下ですぼまったり拡がったりを規則的に繰り返す66本のストライプ。 
白ピンク・グレイッシュな青緑・青紫の組合せを白で囲んでいます。 
冥界の女神の名をかかげているのにこの明るさは、何。
 
作品は公共スペースに使われる事も多いようです。 
最後の展示室にはなんと「壁画」があります。
展覧会が終わったらどうなるのでしょうか。 


8月26日まで。
http://kawamura-museum.dic.co.jp/exhibition/index.html 


******

常設展示について。 


【110】 

川村美術館が 重文の長谷川等伯を含む日本美術の収蔵品を売却した というニュースが記憶に新しく 
 110展示室がどうなってしまったのかと思っていましたら 

「フランク・ステラの部屋」 

になっていました! 

もとから2階の「アメリカ抽象絵画の部屋」でステラのコレクションを 展示していた川村。
それはそのままです。 今回の資金でさらにコレクションを充実させたということでしょうか。 
ステラのモノクロームのリトグラフが、3方の壁に17点ずらり。 小品ですがこれだけ並ぶと見事です。
 そして残る1つの壁にカラーのドローイングが両脇をカラーのリトグラフに 
挟まれて展示されているのがなにか祭壇めいていて 
思わず眼を閉じて祈りを捧げる気持ちに。 
あ、奥の茶室はそのままありました。 

【104】【105】
 
川村美術館でもうひとつ楽しみにしているのは ジョセフ・コーネル の作品との再会です。 
かつて1階奥の105展示室は「コーネルの部屋」でした。 
残念ながらそれは今回も復活していませんでした。
 105は「ルイーズ・ニーヴェルスン」の彫刻2点。 
黒く塗られた木を組み合わせた《世界の庭6》《夢の家×××》。
 
コーネル作品は104展示室に箱とコラージュが1点ずつ出ていました。
 
《ピアノ》 
楽譜が貼られた箱は3段に内部が仕切られ、
青い最下段には太鼓をたたく天使と 
オルゴールの部品があります。 
ネジを巻かれるとモーツァルトのピアノソナタハ長調K545が流れる名品。(今回はガラスケースの中に展示) 

《無題・コラージュ》
テーブルを囲む正装した5人の男。 
電気の傘から下へ光が広がっています。
夜の室内です。 
右の男は立ってパイプをふかし、前に並ぶのは
グラスかコマか。 
正面の男はなぜか両耳をふさいでいます。 
背を向けた男が大きくかしいでいるのは
降りてきたキューピッドのせいでしょうか。 


***** 
訪れた日はよい天気でした。
庭園はいつも手入れが行き届いていて気持ちがいい。
こんな青空がはやく戻りますように。

フォト


9 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する