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2018年07月04日06:59

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謝礼納税

 ふるさと納税は、今は離れているけれどかつて育ったふるさとを応援したい人のためだ、と私は最初思っていました。だけど「謝礼」によって納税する場所を決める人がとても多い、と聞いて、名前を「ふるさと納税」から「謝礼納税」に変えたら良いのに、とも思っています。そういえば、本当に「ふるさとに貢献したい人」は「謝礼の有無や多寡」で納税先を決めませんよね。

【ただいま読書中】『ジャングル(アメリカ古典大衆小説コレクション5)』アプトン・シンクレア 著、 大井浩二 訳、 松柏社、2009年(14年2刷)、3500円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4775400347/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4775400347&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=caa27191ef27b4174e6a6df21ef94eab
 シカゴの片隅の結婚披露宴会場で、リトアニア語とポーランド語の罵倒合戦が繰り広げられるシーンから本書は始まります。集まっている人たちが次々手っとり早く紹介されますが、屠殺場関係者が多い印象があります。喧噪と音楽、永遠に続くかと思われるダンス……映画の「ディア・ハンター」の結婚式パーティーをさらに派手にしたようなものなのかな。
 新郎新婦などが働く会社は、ブタの「悲鳴以外」はすべて効率的に商品にしていました。もしできるものなら、悲鳴でさえ売りたいところでしょう。大量に運び込まれるブタの列に大勢の人間が群がり、流れ作業で処理をしていきます。ウシもまた同様に、てきぱきと効率的に処理されています。
 そして、移民の生活の描写が始まります。彼らが食肉処理をする家畜たちの方がまだマシな生活をしているのではないか、と思わされる生活が(少なくとも家畜の生活には、身を削るような現在と未来に対する不安と恐怖はありません)。会社は、規則や法律を盾に労働条件や支払いには厳しい枠をはめ、移民たちがやっと手にしたお金もなんだかんだと取り上げようとします。詐欺まがいの手口さえ使って。
 本書では「移民の悲惨な生活」「それを食い物にする資本家の手口」「食肉加工工場の実態」などが活写されます。しかし本書が発表された100年前のアメリカで話題になったのは、本書で具体的に紹介された「食肉加工の現実」でした。特に汚染肉に対する扱い(自分たちが食べているものが実は不潔千万なものだった)に対する憤激はとても強かったそうです。
 人間よりも肉の方が重要だったんですね。いや、もちろん、安全で美味しいお肉も重要ではありますが。


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