mixiユーザー(id:64140848)

2018年06月19日05:04

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愛人ロボットは造れても、哲学ロボットはそう簡単ではない

6月17日の「AIは哲学することができるか?」に対して、やすい先生から反論を頂いたので、もう少し論じたいと思います。

特定のテーマについてならば、エキスパート・システムは本当の人間以上に振舞える可能性がある。技術が進歩すれば完璧な恋人ロボットも作ることができると思う。クラウディア・カルディナーレ(昨日「山猫」のビデオを視たので‥)のように美しいアンドロイドが私と愛を語らう。私は彼女が私を愛していることを確信して疑わないようになる。そのようなことはあり得ると思う。データを蓄積すれば、ロボットを完ぺきな恋人のように振舞わせることができる。そのような可能性は現在の技術の延長上にあると言ってもいいと思う。

しかし、哲学をするロボットの実現は恋人ロボットとは別の難しさがある。言うまでもなく、哲学というものは自発的に考えなくてはならない。例えば、欲望について議論する場合は自分が欲望を抱えていなくては、欲望について自発的に考えることはできないからである。欲望に関する大量データを分析すれば、欲望についての知識を語ることはできるようにはなるだろう。しかし、いくらそれらしく難しいことを語ったとしても、それはコピペに過ぎない。当のAIは欲望していないのだから、欲望についての知識を語っても、それは(哲学として)欲望について語ったことにはならないのである。

ライオンが人間より高度な知能を持ったとしたら、人間と哲学を語り合うことができるだろうか? という問題がある。大方の言語哲学者の意見はNOである。生活形態が違い過ぎるからである。おそらく言葉がかみ合わない。肉食獣に動物愛護精神を理解させようとしてもそれは無理というものだろう。ライオンにはライオンの言語と哲学しかもち得ない。

エキスパートシステムには生活形態というようなものはない。主体性もない。だから、表面的には人間の意に沿った振る舞いを教え込むことはたやすい。しかし、それは自発的なものとはいいがたい。

やはり、アンドロイドは私のことを愛していないと思う。愛していると言えるためには、本当に愛を感じていなければならないからだ。当たり前のことだけれど。



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