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2018年04月18日05:50

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泥棒天国

 皆さん、自転車には鍵をしますよね。鍵をかけなければ盗まれます。傘も建物の入り口の傘立てに立てておくとばんばん盗まれます。花泥棒という優雅な名前の阿漕な行為もあちこちで平気で行われています。商店では万引きによる被害が馬鹿にできない額に及んでいます。
 いつから日本は「泥棒天国」になったんでしょう?

【ただいま読書中】『OECD幸福度白書3 ──より良い暮らし指標:生活向上と社会進歩の国際比較』OECD 編著、 西村美由紀 訳、 明石書店、2016年、5500円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4750344443/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4750344443&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=b36552d4f6431ce04b40c6daf5fcc149
 「幸福」は多面的で、幅広い生活の側面を含みます。だから幸福を評価するためには、人々の多様な経験を個人レベルで捉える多様な指標が必要です。本書ではOECD加盟国のデータを活用して、その指標の確立を目指しています。
 幸福は不平等です。それを「自己責任」「自業自得」とする立場もありますが、本書では少しでも格差を少なく人々の暮らしが少しでも良くなることを目指しています。(“上"の人間を不幸にすることで「格差が減って良かったね」というのは、不健康で不健全な態度ですよね)
 本書では「OECDが見る幸福の枠組み」を11の側面に分けて集計し、、標準化された11の複合指標が作成されます。数字として表現しやすいのは「所得と資産」「仕事と報酬」「住居」「健康状態」「ワーク・ライフ・バランス」「教育と技能」「社会とのつながり」「市民参加とガバナンス」「環境の質」「生活の安全」「主観的幸福」。OECD参加各国がそれぞれの指標ごとにずらりと順位づけされて並べられていますが、私はどうしても日本に注目してしまいます。日本社会が重視しているのは「お金」「健康」「教育」ですが(テレビなどのコマーシャルを見たらその傾向は顕著です)、それ以外にも大切なものはたくさんあるようです。
 本書では「明日の幸福につながる資源」についても1章が割かれています。「自然資本」「人的資本」「社会関係資本」「経済資本」ですが、日本で重視されているのは「経済資本」ですね。う〜む、アンバランス。
 さらに「子どもの幸福」。親切にも章の最初に「はじめに:なぜ子どもの幸福が重要なのか?」が置かれていますが、わざわざ説明しなければならないということは、「子どもの幸福」を重視していない人がこの世界に満ちているということ? 「乳児の死亡率」では日本は“優等生"ですが、「子どもの自殺率」では日本は全然優等生ではありません。「子どもの喫煙率」「子どもの過度の飲酒率」のグラフに日本がありませんが、これは「ゼロ%」なのではなくて(ゼロだったら「ゼロ」と表示されます)、真面目に調査がされていない、と言うことなのでしょうね。「20歳未満は飲酒と喫煙は禁止されている。禁止されているからしている者がいるわけがない。いるわけがないから調査する必要もない。もし調査してその存在が明らかになったら、役所としては都合が悪い」という理屈がお役所に蔓延しているのでしょうか(その実例を私は知っています)。「教育的剥奪(教育環境の悪さ)」で日本は上から28位/34箇国です。これは「教育を重視している国」としては不名誉だなあ。「アメリカよりはマシ」と言って自分を慰めている場合ではありません。
 別に「日本」にこだわる必要はありません。読者はそれぞれ「好きな項目」「好きな国」などに注目してぱらぱらとページをめくれば良いでしょう。幸福の姿が多様であるのと同様、本の読み方もまた多様であれば良いのですから。


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