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2018年04月15日08:13

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知性の有無

 「人間ではないもの」に知性があるかどうかの判定は、人間が行うのが一番確実そうです。では、その判定をしている人間に知性があるかどうかの判定は,誰がするのが一番確実なのでしょう?

【ただいま読書中】『進撃の巨人(7)(8)』諫山創 作、講談社、2012年、各419円(税別)

 恐ろしい推論が登場します。人類を襲う人型巨人の正体は、人類、それも兵団の一員ではないか、と。だったら彼女は誰で、何の目的で巨人となって人類を襲っているのでしょう?(女型の巨人だからその“中身"は当然女だと私は思っています)
 その推論が確かであることを確かめるための集団行動で、調査兵団は主力を失ってしまいます。しかしその犠牲と引換のように、調査兵団は女型の巨人の正体を突き止めます。
 エレンは巨人となって女型の巨人と戦います。最初は森の中で。次は壁の内側で。巨人同士の肉弾戦です。巨大な筋肉が躍動します。その戦いの途中、エレンは少しずつ「巨人で“ある"こと」に慣れていきます。さらに巨人として自分の行動を律し、意図的に動くことに習熟していきます。調査兵団の訓練生のときに仕込まれた格闘技を巨人としても繰り出すことができるのです。
 私はここで危惧を感じます。「巨人であること」に習熟することは、「巨人」にエレンの“人間としての本質"が乗っ取られる危険性があるのではないか、と。
 そういえば「人が巨人に変身する」と言えば私はウルトラマンシリーズをすぐ思い出しますが、たとえばウルトラセブンになっている間、「モロボシ・ダン」の意識はどうなっていたんでしょうねえ。
 ところがそんな「危惧」なんて簡単に吹っ飛ばされてしまいました。なんと壁の中には巨人がぎっしりと詰め込まれていたのです。しかもそれを人類の一部は知っていて、大切な秘密として守っていたのです。だったら巨人と人類の戦いの意味は、何?
 いやあ「風呂敷」が一気に広げられてしまいました。「この世界」の謎が、一部明らかにされたため、かえって謎の巨大さが強調されてしまいます。これは面白い漫画です。


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