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2018年04月06日07:48

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二刀流

 大リーグで大谷翔平選手がやってくれています。1週間で初安打、初勝利、初本塁打です。躍動感溢れる守備も見たいけれど、二刀流の間は指名代打も仕方ないかな。どうかこのまま「自分の理想」に向かって進み続けて下さい。
 野球漫画でもプロ野球で打者と投手の両方を目指す(しかもそれに成功する)なんてストーリーのものはなかったと思いますが、「事実は漫画よりも奇なり」ですか? というか、大谷選手の活動を「ノンフィクション野球漫画」で描く人はいませんかねえ。

【ただいま読書中】『プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた! ──涙と笑いの球界興亡クロニクル』長谷川晶一 著、 集英社、2014年、1200円(税別)
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 2004年9月18日と19日、日本で初めてプロ野球のストライキが行われました。
 生粋のヤクルトファンだった著者は、「球団にファンは本当に大切にされているのか?」という不信感を感じ、全球団の「ファンサービス」を比較するためにすべての球団のファンクラブに入ってみることにします。明けて2005年になると各球団から続々グッズが届き、著者は不思議な感覚に襲われます。「アンチジャイアンツ」のはずだったのにジャイアンツファンクラブの特典の豪華さにくらくらきたり、レプリカユニフォームを着たらなぜか高揚感を感じたり。
 2006年第1回WBC(日本が優勝)。ヤクルトは「東京ヤクルト」に改名。
 2007年セリーグもクライマックスシリーズを採用(パリーグは04年から)。
 各ファンクラブのサービスの比較も興味深いものですが、こういった日本プロ野球に関する細かい歴史の話も私の心のツボを突きます。
 07年に、これまで「一般コース」がなかった(「ジュニア」と「レディース」と「シニア」だけだった)広島東洋カープに、ついに著者念願の一般コースができました。これまで著者は広島にはお母さんに入会してもらっていたのですが(もちろん費用負担は著者)、ついに「自分」の会員証が作れるようになったのです。
 08年、どのファンクラブもサービスが手厚くなり、著者が露骨な不満を感じるところはなくなってきます。04年の球界再編騒動以来、現場は努力をし続けていたようです。
 著者は「ファンクラブのサービスやグッズ」をけっこうシビアに評価しそのランキングを公表しています。いや、これがまた、球団の成績と同様、年によって序列がころころ変動します。この表を見ているだけでも退屈しません。
 物量が豪華なジャイアンツ、機敏に改革をするロッテ、「球場に来れば来るほどお得」のポリシーが明確なオリックス、可もなく不可もなしの日本ハム、金がなくてもアイデアがある広島など、各球団の特色は変わりません。そして著者は「継続は力なり」と呟きながら、毎年入会(継続)手続きを続けます。
 2009年第2回WBC。広島カープは広島市民球場からマツダスタジアムに移転。広島が05年に初めて採用したボール犬ミッキーが老衰で死亡。そして著者は39歳。横浜ベイスターズの特典がずいぶんしょぼくなったことにがっかりしています。この年ロッテはまた斬新な改革を。ところがこのロッテがファンクラブに関してとんでもない珍事件を引き起こしてしまいます。内容は……本書をどうぞ。そうそう、広島カープのファンクラブ特典のユニフォーム……これは写真を見て絶句してしまいました。斬新すぎる。いや、著者と同じく、気に入りましたが。
 10年、統一球採用の駆け引きが開始。カウント表示は「SBO(ストライク・ボール・アウト)」から世界標準の「BSO」に変わりました。そして著者は「全体の潮流」として「女性ファン獲得の流れ」を感じます。
 11年「見せましょう、ファンクラブの底力を!」と著者は宣言します。特典チケットを利用して各地の球場に足を運ぶようになり、著者は「12球団すべてに愛着を感じるように」なっています。「野球ファン」の誕生です。
 12年、アベノミクス。13年、3球団でファンクラブの大改革。
 そして14年、全球団のファンクラブに入り続けてついに10年目です。なぜか気が大きくなった著者は、楽天の「ブースタークラブ」、阪神の「ダイヤモンドプラス会員」、ヤクルトの「プレミアム会員」などに大金を払って入ってしまいます。これまでは年間入会金は12球団総額で5〜6万円くらいだったのが、この年はなんと17万7900円。
 ファンクラブ特典の中から「名品」も紹介されています。しかし「ラジコンヘリコプター」とか「黒ひげ危機一髪」とか、どう考えても野球とは無関係なもの、どうやって提案者は会議を通したんでしょうねえ。もちろん「迷品」もございます。トップ10の中に広島カープのものが4つ含まれているのは、やっぱり「斬新さ」が空回りした結果でしょうか。
 さて、日米でプロ野球が開幕しました。私はどこのファンクラブにも所属していませんが、本書を読んで、ちょっとどこかに(あるいは全部に)入ってみようかな、なんてことを思っています。だって、面白そうだもの。ところで大リーグのファンクラブは、どんなファンサービスをしているんでしょうねえ? 日本では考えられないような(よい意味でも悪い意味でも)とんでもないものがあるのではないかな。だれか試しに入ってみてくれません?


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