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2017年12月24日20:55

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ローマ字

 ベネチアやミラノでは別の文字を使っているのでしょうか?

【ただいま読書中】『宣教医ヘボン』横浜開港資料館・明治学院大学図書館・明治学院歴史資料館 編集、横浜市ふるさと歴史財団、2013年、1000円(税別)

 「ヘボン」と言われたら私が思うのは「ヘボン式ローマ字」だけですが、実は彼は「宣教医」だったそうです。安政六年(1859)米国長老派海外伝道団が日本に派遣した宣教医がヘボンで、以後33年間横浜で、医師として、さらに和英辞書の編纂、聖書の翻訳、ヘボン式ローマ字の考案と普及、学校や教会の設立など幅広い活動をおこないました。ヘボン夫人クララが創設したヘボン塾がのちに明治学院となっています。
 ヘボンは、まず中国で宣教医として6年間活動、1846年に帰国するとニューヨークで医院を開業、13年間働きますが、日本が開国すると、私財を一切なげうって日本に赴任することにしました。何が彼をそこまで駆り立てたのだろう、と日本人として不思議に思います。
 本書は、展覧会のカタログで、風景や人物の写真、手紙などの写真が豊富に含まれています。生麦事件の現場、なんて写真もあります(さすがにただの風景写真で、「事件」そのものは写っていませんが)。
 「宣教医」と言うとちょっと響きが意外ですが、戦国時代の南蛮医学は宣教師が持ち込んだものだし、古い日本では僧医がいるし、古い中国だと儒医もいます。中世ヨーロッパの修道院には薬草園やホスピスが附属していました。宗教と医学の結び付きは、別に不思議なことではないのでしょう。
 ローマ字の史料も豊富です。しかし、当時の日本人の発音は、地方色が豊かだったはず。それをいかにシンプルな文字表記にするか、大変な苦労だったでしょうね。すなおに「ありがとうございます」です。


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