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2017年12月14日09:19

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ヒュームは因果関係を否定したわけではない。

ときどき、ヒュームが因果関係を否定したかのようなことを言う人がいる。彼は決して因果関係というものを否定したわけではない。因果関係がア・プリオリでないと言ったのである。因果関係というものがなくなる事態がありうることを論理的には否定できないというのである。

因果関係がア・プリオリな論理によって根拠づけられないにもかかわらず、自分はどうして因果関係というものを信じているのだろうと考えた。その結論がそれは習慣からくるものだということなのである。必然的な根拠を得ることはできなかったが、それでも彼自身は、ある意味宗教を信じているよう、に因果関係を信じていることは間違いない。

因果関係を信じているということでは、カントもポバーも同様であるが、各人はともに少しずつ因果関係に対するスタンスが違っている。

ヒュームが因果関係はア・プリオリでないというのに対して、カントはア・プリオリであるという。因果関係がア・プリオリでなければ経験が可能でないというのだ。世界は因果関係が成立するように主観が構成しているというのである。

しかし、カントもヒュームと同様に自然法則が、ある日突然変わりうる可能性があるということを否定しないということでは一致している。

その点ポバーは、宇宙を統べる斉一的な秩序は永遠不変であると考えている。もし、同じ条件で行われた実験で違う結果がでたら、それは自然法則が変わったのではなくて、我々にとって未知な要因がまだ隠されていると解釈するのである。
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