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2017年11月19日09:24

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ファシズムの手口を学ぶ

 個人を動かそうと思ったら、論理や感情や損得が多くの場合用いられます。しかしファシズムで全体を動かそうとしたら、そこでは感情とリズムが多用されます。ヒトラーの演説でも、重要なのはその「内容」ではなくて「口調」や「リズム」や「(言葉本来の意味を離れた)スローガン」でした。
 「ヒトラーのやり口」を学んだ人たちはそれを使って「政治」をしようとしています。しかし、「全体」の一部である私たちもまた同じように「やり口を学んでいる」わけですから、そう簡単にはいかないぞ、と言い続けるしかないでしょう。「それは迷信だ」と言い続けていた昔の世界の少数派のように。

【ただいま読書中】『応天の門(4)』榛原薬 作、新潮社、2015年、580円(税別)
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 小生意気な「菅原道真」少年は、相変わらずのようですが、少し視野が広がってきているようです。しかしそういった自分の変容を彼は許すことができません。だから在原業平の邸宅で開催された「塩焼きの宴」に「反藤原」の人たちが集結していることにも反発します。自分が「反藤原」の一員と見なされる(つまり、「体制」「反体制」の二分でくくられる「体制」に組み込まれてしまう)ことが許せないのです。だけど、道真が否定しまくっている非合理的な迷信よりも、実は「人間」の方が恐ろしいことを平気でするのかもしれません。だって迷信を信じて非合理的な行動をするのも「人間」なら、欲望などのために非倫理的非人間的な行動をするのも「人間」なのですから。「迷信」や「あやかし」は「人間」から生まれているし、「残酷な行動」もまた「人間」が行為しているのです。


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