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2017年08月27日18:26

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ドラフトの目玉

 今年の高校野球では、最初は清宮選手が“全国区”の人気でしたが、甲子園では広陵高校の中村選手がぐんぐん知名度を上げました。で、2人とも高校選抜の「侍U18」に選ばれていて、今年のドラフトの目玉なんだそうです。だけど、優秀なら優秀なだけ、すぐに大リーグに取られちゃうんじゃないです? もっと日本野球で息長く活躍するのは、大器晩成型の選手かもしれません。

【ただいま読書中】『真説ラスプーチン(上)』エドワード・ラジンスキー 著、 沼野充義・望月哲男 訳、 日本放送出版協会、2004年、2400円(税別)
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 ラスプーチンに実際にあったことがある人の証言は、たとえば「外見」という単純なものに対してさえ、ひどく矛盾したものが集まります。著者は「謎」としてラスプーチンを扱います。
 ラスプーチンが殺されたあと事件を調査した「第13部門」は膨大な証言記録を残しました。それは、ロシア革命のどさくさで失われていましたが、著者は粘り強く調査を続け、とうとうそれと遭遇します。事件後「ラスプーチンの敵」の証言は多く残されましたが、ラスプーチンを愛し崇拝した人たちは革命でほとんどが殺されていました。その「失われた証言」を著者は見つけたのです(取調官の別の筆跡記録から、ファイルが本物であることを著者は確認しています)。つまり、崇拝者たちが見ていた「ラスプーチンの“真実”の姿」がそこにあります。さらに暗殺直後に作成されたラスプーチンの財産目録も著者はシベリアの公文書館で見つけました。それらから描き出す「ラスプーチンの姿」が真実であるかどうかの保証はありません。しかし、これまでのものよりは公正なものになるだろう、と期待しつつ著者は執筆を始めました。
 シベリアの貧しい農家に生まれ、無学文盲で村で悪さばかりして育ったグレゴリー・ラスプーチンに、28歳の頃「転機」が訪れたようです。放蕩をやめ、聖地巡礼を始めたのです。当時のロシアのキリスト教は、異端や異教が混入し、我が身を鞭打ったり去勢したり乱交したりが流行していました。そういった中でラスプーチンはカリスマ性を発揮し、熱狂的な“信者(主に女性)”を獲得し、33歳で首都ペテルブルクに進出。本人は「ぶらっと行ったら主教が会ってくれた」なんて言ってますが、実際には地方の有力者からの紹介状がものをいってまんまと上流階級に取り入ることに成功したようです。当時はロマノフ王朝がもう少しで300年になろうとする時期で、社会的には不安がはびこっていました。皇室も不安をかかげ「(理想的な)大衆から成る“聖なるロシア”」の幻想にしがみつこうとしていました。「革命」が囁かれ、1905年に皇帝は憲法に署名します。300年の専制の崩壊です。そこにペテルブルクで「聖者」として人気者となったラスプーチンが近づき、まず皇后を容易に籠絡、そして次には皇帝までも影響下に置いてしまいました。
 ラスプーチンは、言うことは実は支離滅裂でした。しかし信奉者は「彼の言葉そのもの」ではなくて「彼が言いたかったであろう事」を信じ、書き留めました。
 ロシア文学の長篇はとにかく大量に人名が(それも長々しいものばかりが)登場して覚えるのが大変でしたが、本書もとにかく“関係者”が多すぎて誰が誰やら状態に私はなってしまいました。さてさて、まだ下巻があるのですが、それはいつ読もうかな?


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