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2017年07月22日08:23

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権力者賛歌

 「アベ首相はえらい人だ」と歌う“立派”な庶民はいないのかな?

【ただいま読書中】『全訳 カルミナ・ブラーナ ベネディクトボイエルン歌集』水野藤夫 訳、 筑摩書房、1990年
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 「カルミナ・ブラーナ」と言えば私はオルフが作曲した「世俗カンタータ カルミナ・ブラーナ」の高らかな歌声を思います。あの歌声の迫力にヤられてしまって、歌詞の意味なんか考えたことも無いことに、あの歌に出会ってから数十年経ってやっと気がついたものですから、歌詞ではなくて原典を当たってみることにしました。
 第一部は「教訓・風刺」ですが、いやあ、強烈。権力者や聖職者に対する風刺のオンパレードです。
 第二部は「恋の歌」。どちらかと言えばストレートな歌が多いのですが、意外なのはその途中に「焼白鳥の歌」が混じっていること。焼かれて皿に載せられた白鳥が我が身を嘆く歌ですが、どうしてこれが「恋の歌」? 焼白鳥は恋の炎に焼き尽くされた人間のことなのかな。いや、「白鳥を食べる」ということと「焼白鳥は人間のことかもしれない」ということのどちらに対して驚くべきか、私はしばらく迷うことになります。
 第三部は「酒の歌・遊び人の歌/宗教劇」……なんちゅう取り合わせですか? 中世ヨーロッパはカトリックにがちがちに縛られていた、というわけではなさそうです。庶民はけっこうしたたかに“権威”を笑っていたんですね。
 12世紀ころの俗謡と言えば、日本では「梁塵秘抄」ですが、こちらも「遊び」「恋」「宗教」が多く歌われていたはず(後白河法皇がどういう基準でセレクトしたか、が問題ですが)。


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