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2017年07月18日19:44

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車の静けさ

 うるさい街角では、暴走とかクラクションを鳴らしたりしない限り一台一台の車の音は全然気になりません。深夜の住宅街のような静かな環境では一台の車の走行音でもひどく気になります。“音の絶対値”は変わらないのにね。

【ただいま読書中】『異類婚姻譚』本谷有希子 著、 講談社、2016年、1300円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4062199009/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4062199009&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=c272bf29116bce48836c8134e094527b
目次:「異類婚姻譚」「〈犬たち〉」「トモ子のバウムクーヘン」「藁の夫」

 「異類婚姻譚」には、家で何もせずにぐうたらするだけの夫、が登場し、私は「自分のことか?」と一瞬背筋がひやりとします。そういった個人的な事情とは別に、本作は人(のようなもの)と結婚した、と思っている妻が、実は自身も人のようなものだったのかもしれない、と言外に匂わされて、「夫婦」が「人と人」で成立するのにその「関係」が「人ではないもの」なのかもしれない、と私は思ってますます背筋がひやりとすることになります。
 「異類」との結婚、は「藁の夫」にも再登場します。ここでは夫は等身大の藁人形。「オズの魔法使い」のかかしのことを私は思いますが、「藁の夫」の性格はもうちょっとひねくれています。私は一瞬「わらの犬」の方向に走っていくのか、なんて不安もちょいと感じました。
 「現実に対する異物感」が散りばめられた短編集です。昨年の第154回芥川賞受賞作だそうですが、最近の純文学ってこんな感じのものなんです? 私はこれまで純文学は苦手で通してきましたが(読書好きのくせに芥川受賞作も恐らく十数編しか読んでいません)、この調子だったら将来も「大好きだ」と言えるようにはなれそうもありません。


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