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2017年06月08日06:52

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自動・車

 「自動運転ができる車が本当の自動車だ」と私は思っていましたが、本来は「自らが自由に動き回ることができる車」が「オートモービル」の意味だそうです。ここで自動車の“対抗馬”とされているのは、馬車や汽車。ですから馬や機関車や線路がなくても「自由」に動ける車だとしても、「自動車」に「運転者」は必須のものでした。となると、「自動運転ができる車」には、何か別の「名詞」を作る必要があるのかもしれません。

【ただいま読書中】『自動運転でGO! ──クルマの新時代がやってくる』桃田健史 著、 マイナビ出版、2017年、850円(税別)
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 WHOの統計では2015年に世界での交通事故死は125万人、原因の内で自動車が31%、その9割がドライバーのミス。すると「自動運転」が理想的に機能したら30万人の命が救えることになります。
 日本の経済産業省の実証実験(トラックのあとに無人トラックを複数台“カルガモ”走行させる)、ホンダとグーグルの提携(完全無人運転)、ロボネコヤマト(自動運転の小型配送車が指定された時刻に指定された地点に到着して、客が自分で荷物を取り出す)の公開実験、スウェーデンで自動運転のボルボ100台を使っての大規模社会実験、アップルの「プロジェクト・タイタン」(自動運転車の量産計画)……世界は「自動運転の実現」に向けて、大きく動こうとしています。
 ところで「自動運転」とは、何でしょう? 実は公的な定義はありません。人はそれぞれ勝手な定義でその言葉を使っています。「自動運転のレベル」については、2013年には「SAE(アメリカの自動車技術界)」の定義と「NHTSA(アメリカ国家道路交通安全局)」の定義があり、さらにドイツの「BASt(連邦道路交通研究所)」までありました(ただしドイツはSAEに準拠する、との説明でした)。もう、なんとかしてくれ、と言いたくなります。日本は「NHTSA準拠」の立場を取りましたが、最近NHTSAが「これから自分たちはSAEに準拠する」と宣言して一本化。日本も慌てて追随するそうです。
 この「レベル」は、「0」〜「5」まであって、「0」は完全手動運転、「5」は完全自動運転、となっています。そして、メーカーによっては「いきなりレベル5を目指す」ところ(IT企業)もあれば「少しずつレベルを上げていく」ところ(主に自動車メーカー)もあり、どちらも「自動運転」という言葉を使うので、混乱が生じます。
 言葉の混乱はまだあります。たとえば「自動ブレーキ(正式には衝突被害軽減制御装置)」。これには一応きちんとした定義があるのですが、昨年のJAFの調査ではほとんどの人が「知っている」と答えましたが、そのうち実に半数の人が間違った内容を「知って」いたのです。これは困った事態です。その内、自動運転の車と手動運転の車が混在して道路を走る状況になります。そのとき「誤解」があると、それは事故に直結する可能性を生んでしまうのです。
 事故の時の責任はどうするのか、も重要な問題です。今は「運転者」が「責任者」ですが、完全自動運転の場合は? 実際に、すでに死亡事故が起きています。おそらくケースバイケースで、判例の積み重ねが必要でしょうね。本書では事故がらみで「倫理」も取り上げられています。自動運転中の緊急事態にはAIが判断する必要がありますが、そこにどうやって「倫理」を入れたら良いでしょう? これからの車はネット接続は当然になっていくでしょうが、そうなるとハッキングの問題も生じます。
 高齢者ドライバーにとって、おそらく「自動運転」はメリットが大きいだろうと私は思っています。特に「不注意」に対する警告を車がしてくれたら、完全自動運転でなくても事故は大きく減りそうです。
 自動運転によって、車は「所有物」から「共有物」になっていくだろう、という予想もありました。自分の好きなときに都合の良い場所にすぐ来てくれる自動運転車があるのなら、別に「自分だけの車」を所有する必要はなくなる、というわけです。これは、とっても環境に良さそうな気がします。


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