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2017年04月27日07:08

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東北でだったら起きて良い地震、って、何?

 今村さんの「真意」が本人が主張する「東京に起きたらとんでもない大被害が生じる」であったとしましょう。すると、彼の選挙区(佐賀だそうです)が大きな地震に見舞われたときにも彼は「まだ佐賀で良かった」と言うんですよね? 本当に言うかどうか、じっくり私は待たせてもらいます。

【ただいま読書中】『痛くないお産 麻酔分娩がよ〜くわかる本 ──周産期専門の麻酔科医に聞く』奥富俊之 著、 メディカ出版、2005年、1000円(税別)
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 先日のお産の本はあまりに古かったので、こんどは21世紀の本も読んでみることにしました。
 本書で紹介されているのは「硬膜外麻酔」です。ただその前に、本書のスタンスが興味深い。「痛いお産(自然分娩)を望む人はそちらへどうぞ。選択肢の一つとして痛くないお産に興味がある人はこの本で調べてね」という態度なのです。血相を変えて「自分の主張こそが正義」と言う人とはずいぶん態度が違います。
 そもそも、どうしてお産は「痛い」のでしょう。理由の一つは「二足歩行」です。骨盤が内臓を支えるためにお椀型になり、尻尾は骨盤内部に入り込んで筋肉として内臓や歩行を支えるようになりました。さらにヒトの頭は大きくなり産道を通過しにくくなっています。また、これは生物ではなくて社会の話になりますが、晩婚化の影響もあります。若い方が産道は軟化しやすいので、高齢出産ではますます痛くなり易くなります。また、出産を実際に見た経験がないと不安や恐怖が大きくなりますが、痛みはそういった精神的な要素でも強くなっていきます。
 「痛みの尺度」は客観的に示すことが難しいのですが、それでも色々な研究では、出産訓練を受けていない初産婦の場合、陣痛は「手指の切断」とほぼ同じくらいの痛み、だそうです。これは大変だ。あまりに痛いと、カテコールアミンががんがん分泌されて動脈が収縮して子宮への血液供給が減少したり、痛みのために呼吸が浅くなると血中酸素濃度が減って、結局赤ちゃんに悪影響が出ることがあります。特に、心不全や高血圧のお母さんの場合、カテコールアミンが母子ともに悪いことをするので、著者は「医学適応の麻酔分娩(“治療”として麻酔分娩を行う)」という言い方をしています。
 無痛分娩では、赤ちゃんには影響が及びにくくて産婦の痛みを取るために、局所麻酔が選択されます。たしかに、全身麻酔だったら、赤ちゃんも寝ちゃいますもんねえ。そうしたら産声は上げられないので、困ります。
 私が子供のころには「盲腸の手術(本当は急性虫垂炎の手術)」が盛んに行われていて、その時の麻酔は「脊椎麻酔」でした。これは今は「脊髄くも膜下麻酔」と呼ばれるようになっているそうですが、「硬膜外麻酔」はこの「脊椎麻酔」より「膜一枚外側」に麻酔薬を注入します。膜が邪魔をするので薬が効くのに時間がかかりますが、その分効果は長持ちする、という理屈です。それでも3時間くらいしたら薬液の効果は切れますが、細いチューブを硬膜外に留置して置いて、追加が必要ならそのチューブからまた新しい薬液を注入するのです(だからその時には針を改めて背中に刺す必要がありません)。なお、硬膜外麻酔に脊椎麻酔を組み合わせて使うテクニックもあるそうです。これだと、硬膜外だけよりも薬液の量を減らせるし、ほとんどの場合歩行も自由にできるので、麻酔をかけた産婦さんが子宮口が全開になってから歩いて分娩台まで行くことも可能です(その写真が載っています。笑顔です)。
 自己調節硬膜外鎮痛法(PCEA)という方法もあります。いつ薬液を調節するか、患者自身が決めてボタンを押すやり方です。痛くなったら押せば良いし痛くなかったら押さなければ良い。過量投与を防ぐために、一定時間に注入される薬液の量は医者があらかじめ設定していて、それをオーバーしたらボタンを押しても空打ちになるようになっているそうです。面白いことに、空打ちでも「効く」そうです。プラセボ効果ですね。
 副作用もあります。たとえば、血圧低下、吐き気や嘔吐、尿閉(おしっこが出せなくなる)、かゆみ、発熱、そして薬物アレルギー。ただしその発現頻度はとても低いものです(本書には「麻酔分娩で重大なことが起きるのは、交通事故に遭うのと同じくらいの確率」とあります。「その程度か」と安心するか「ゼロではないのか」とがっかりするかは、自分で決めれば良いでしょう)。
 母性本能についての解説もあります。これは遺伝子FosBに「体が小さく丸く頭が大きい者」に愛着を示せ、と書き込んであるのだそうです。その母性本能が行動化するためには、プロラクチンの分泌が必要です。つまり、「陣痛」は母性本能の発言には無関係。それどころか、陣痛の痛みストレスはプロラクチンの分泌を減少させます。すると母性本能だけではなくて、母乳の分泌にも悪影響が出ます(プロラクチンは母乳分泌を促進させるホルモンでもあります)。産後母乳が出なくて困る人の何割かは、過度の陣痛が原因かもしれません。
 本書の最後に、実際に体験した女性たちの手記があります。こういった本に掲載されるのですから最初から「肯定的なバイアス」がかかっているのは明らかですが、それでも読んでいると「利点」がいくつもわかります。もちろん「副作用」「事故」などの難点もあるから、どう出産するかは個人の自由ですが、私が産婦だったら硬膜外を選択するだろうな、とは思いました。もちろんリスクはあります。でも自然分娩だって「危険率」はゼロではないでしょ?


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