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2017年03月30日07:00

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納本

 図書館は私にとっては「本を借りるところ」ですが、「情報のアーカイブ」の場所でもあります。ですから未来の日本に過去を伝えるためには、「特定のポリシーによって選択された本の集積」ではなくて「手当たり次第に情報を集めて保存しておく」態度の方が望ましい、と私は思っています。人類の未来に送り込みたいのは「特定のポリシー」ではなくて「未来人が好きに利用できる雑多な情報」なので。実際に私たちも、過去の発掘などから得た情報を自分たちで好きに利用しているでしょ。

【ただいま読書中】『よくわかる納本制度』国立国会図書館、2012年

 「国立国会図書館法」は昭和23年に制定され、そこで「納本」が定められました。しかし戦後の困難な状況でさらにGHQにも相当数を納入する義務もあり、出版社には「納本」は重い義務でした。そこで翌年法律は一部改正され、代償金(定価の5割+送料)の交付が行われるようになりました。ということは、自費出版で馬鹿高い「定価」をつけて国会図書館に送りつけたら、「代償金」が頂けることに……ということで、それを実際にやった人がいることがこの前ニュース(*)になっていましたっけ。

*)「国立国会図書館、「亞書」発売元に代償金136万円返還求める 高額本納本問題」(産経ニュース)http://www.sankei.com/affairs/news/160202/afr1602020051-n1.html

 最近では、電子出版物も納本の対象になっているそうです。すると、パソコンゲームなども「出版物」扱いできます? もしかして、エロゲームも?
 欧米では2部(以上)の納入義務がありますが、日本は1部だけです。ただ、2部納入された場合は、1部は東京本館、1部は関西館に所蔵されることになります。また、児童書や教科書などは国際子ども図書館で所蔵するそうです。大災害などのことを考えると、なるべく同じセットを分散して保存しておいた方が良さそうです。
 本は、今は「本」ですが、やがて「資料」になり、さらに古くなると「史料」になります。どうか百年後・千年後の人類が、まだ「本」を読んでいますように。史料を活用していますように。


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