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2017年02月27日06:35

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守る態度

 仏壇に手を合わせる時ついつい「御先祖様、お守り下さい」と言いたくなるのですが、ふと「自分が死んだ後に自分の子孫を守ることができるだろうか」と思ってしまいました。死んだら自動的にそんな超常的な力が付与される、というのはあまり期待できないでしょうし、付与されたにしてもそんな超常的な力を平気で振るえる魂というのは、ある意味“社会の迷惑”かもしれません。生きている人間の運命がねじ曲げられるのですから。また、「自分の子孫を守るんだ」と成仏しているはずの魂同士がいがみ合うのもよろしくないでしょう。「守る」ではなくてせいぜい「見守る」程度にしておいてもらった方が良さそうです。

【ただいま読書中】『東芝 終わりなき危機 ──「名門」没落の代償』今沢真 著、 毎日新聞出版、2016年、1000円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4620323993/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4620323993&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=42da47fea0d2f763dbc65deaae33f88c
 先日読書した『東芝不正会計 ──底なしの闇』の“続編”です。
 経営危機となった東芝では、大々的なリストラが行われました。早期退職をするべきかそれを断って残留をするか、社員はそれぞれの決断を迫られます。しかし、経営危機の“元凶”となった財務部と原子力部門ではリストラは行われませんでした。また、役員経験者の「社友」の特権的な待遇も保存されました。こういった会社の態度は、社員の士気を下げます。
 さらに、ウェスチングハウスの減損を2年間隠蔽していたことに対して東芝は「発表が遅れた」と言うことで逃げ切ろうとします。
 本来は、不祥事に対して真摯に対峙し、責任者を自ら追及し、構造改革と経営改革をしなければ会社の先行きは無いはずなのですが、経営陣は内部での権力闘争に忙しかったらしく、「自分の満足」が「会社全体の利益」よりも優先していたようです。
 その頃シャープも苦しんでいました。日本の家電メーカーはどこも「白物」が不振となって経営が傾きかけていたのですが、シャープが活路を求めた液晶への投資が失敗し、結局鴻海に身売りすることになってしまったのです(実は東芝がシャープに出資する、という可能性もあったのですが、鴻海の素早い動きにそれは潰されていました)。
 また、三菱自動車は、2000年と2004年のリコール隠しに続いて3度目の不祥事「燃費不正問題」を起こしていました。
 セブン&アイでは人事抗争が勃発。そこで存在感を示したのは「社外取締役」でした。
 日本の企業はどこもかしこも大騒ぎです。本書の著者が働くニュースサイト「経済プレミア」も、次から次へと大きなネタを扱うことになっていました。
 2016年3月末、独禁法を回避するためにちょっとトリッキーな手段を使って、東芝は東芝メディカルシステムをキヤノンに5900億円で売却します。税引き後3800億円を得た東芝の純資産は3738億円。ぎりぎりで債務超過に陥る事態を回避できました。しかし、東芝で数少ない「金を稼げる部門」を手放してしまった以上、東芝にはすでに後がありません。また赤字が続くと、こんどこそ債務超過になってしまうのです。
 最近のニュースサイトには、また東芝とウェスチングハウスの名前が登場するようになりました。こんどこそ東芝は本気で原子力事業について取り組む必要がありそうです。それを先送りするか決断するか、その辺は本書の“続編”で取り扱われるのかもしれません。


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