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2017年02月18日07:12

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大本営発表

 記者会見でのトランプ大統領の“演説”を見ていると、「大本営発表」という言葉が思い出されてしかたありません。「不都合な事実の無視や歪曲」「言葉の言い換え」「一方的な主張」など、基本的な態度はそっくりじゃないです?

【ただいま読書中】『アンティーク・オルゴール物語』名村義人 著、 風間憲二 写真、新潮社、1995年
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 「いつでもどこでも音楽を楽しみたい」という欲望を叶える製品として有名なのは、1877年にエジソンが発明した蓄音機ですが、それより100年前にオルゴールが誕生していました。オルゴールの原理は20世紀初頭に「自動ピアノ(リプロデューシング・ピアノ)」に採用され、多くの有名なピアニストが(レコードではなくて)自動ピアノ用のロール紙にその演奏を残しています。
 「オルゴール」は日本語です。オランダ語の「オルゲル(オルガンのこと)」が転訛した、が定説で、寛延三年(1750)の『紅毛訳問答』に「ヲルゴルナ」、天保元年(1830)『嬉遊笑覧』には「オルゴル」が登場しています。明治でも「オルゴル」や「ヲルモウル」ですが、大正期に「オルゴール」が定着したようです。
 ヨーロッパで「時計づくり」が始まったのは13世紀末頃。14世紀の塔時計は動力として落下する錘を使い、近代的な時計の調整機や脱進機をすでに備えていました。やがて時を告げる鐘(カリヨン)が組み込まれ、からくり人形がそれを鳴らすようになり、さらに調律された鐘を並べて順に叩いてメロディーを演奏する方式が16世紀〜18世紀にかけて広まります。16世紀にゼンマイが発明され、時計は小型化されます。そこにも小さなベルを組み込もうという努力がされ、やがてベルは小さくて細い鋼鉄製の歯に置き換えられます。「時計」から「時計」「オルゴール」「自動人形」の3つの流れが生まれたのです。
 一般的なシリンダーオルゴールが苦手とするのは、音の強弱・音の長短・連続音(トレモロなど)・長い曲などです。シリンダーの交換で長い曲や新しい曲を演奏することは理論的には可能ですが、実際にはけっこう面倒な作業でした。そこでその欠点をカバーするために、ディスクオルゴールが開発されました。ディスクの交換はシリンダーの交換よりはるかに楽でした。10枚から12枚のディスクをセットできるオートチェンジャーもありました。ほとんどジューク・ボックスそのものですね。
 自動オルガンや自動ピアノ、さらにはいろんな楽器を組み込んだオーケストリオンという自動演奏楽器もあります。これは1890年ころからドイツで作られるようになり、20世紀初めにアメリカで大ヒットしたそうです。変わったものでは、空気ポンプで駆動されロール紙で演奏する無声映画の伴奏用の装置まであったそうです。オーケストラを一々雇うよりも安上がり、という計算だったのでしょうか。
 クラシックなオルゴールの写真を見ていると、その音を聞きたくなってしまいます。至れり尽くせりのことに、本書にはCDも付属しています。……えっと、CDプレイヤーはどこにやったかな?


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