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2017年02月03日07:14

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最近の若い世代

 「最近の若い世代は打たれ弱いから、会社では腫れ物に触るように、叱るより褒めて育てないといけない」と、この前テレビでやっていました。
 ……本当? スクールカーストの厳しい世界を生き、ネットの掲示板などでは「死ね」などの嵐をかいくぐってきた人たちが、そんなに打たれ弱いの?

【ただいま読書中】『図解 カメラの歴史 ──ダゲールからデジカメの登場まで』神立尚紀 著、 講談社(ブルーバックスB1781)、2012年、900円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00JA05JD4/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B00JA05JD4&linkCode=as2&tag=m0kada-22
 紀元前4世紀に「カメラ・オブスクラ(暗い部屋)」についてアリストテレスが述べています。これは針穴写真機を部屋の大きさに作ったようなもので、穴と反対側の壁に景色が逆さまに写っていました。中世の科学者やレオナルド・ダ・ビンチは日食の観察にこの「カメラ」を用いました。17世紀〜18世紀に硝酸銀の感光性が発見され、それと「カメラ・オブスクラ」が結びついて「カメラ」が誕生しました。ただ、最初の「写真」(ニエプスが撮影した、1825年、または26年、または27年のもの)は感光剤にアスファルトを用いたもので、感光に8時間もかかるものでした。ダゲールはヨウ化銀を塗った銀板を感光させても像は見えないのにそれを水蒸気にさらす「現像」で像が浮き上がってくることを偶然発見しました。見えなかった「潜像」を見えるようにするから「現像」です。明るいレンズによって撮影時間はぐんと短縮され、感光剤を塗った金属板は湿式コロジオン法、写真乾板、フィルムへと進化します。
 1884年「あなたはボタンを押すだけ。あとはコダックが全部やります」という小型カメラ「No.1 Kodak」が発売されます。レンズは固定焦点、シャッター速度も固定。中には感光剤を塗った100枚撮りのロール紙が入っていて、それを撮りきってからコダック社に返送すると、撮った写真のプリントとともにフィルムを再装填したカメラが送り返されてくる、というシステムでした。
 ロールフィルムができたら「動画」まではあと一歩です。1891年にエジソンが「キネトスコープ(箱の中をのぞき込むタイプの動画装置)」を発明。そこで規格化された「35mm幅のフィルム」がのちに映画だけではなくて写真にも採用され、現在も用いられています。
 小型カメラ用の規格24mm×36mmの「ライカ判」の設定には「緻密な計算」があった、という説があります。当時のフィルムの解像度は0.03mmで、人間の眼は「100万個のドットからなる画」を「良い画質」と判断するので、その100万個のドットがちょうどおさまる大きさにオスカー・バルナック(ライカ社の創始者)が作った、というのです。そういえばデジカメも黎明期には「100万画素」が「高画質の基準」とされていましたっけ。戦前の「ライカ」は小型カメラでは世界最高のブランドで、各国でコピー機が生まれましたが、本家をしのぐものは登場しなかったそうです(イギリスはドイツを占領したら即座にライカの設計図を接収しイギリスで製作した「リード」を売り出しましたし、ソ連はカール・ツァイスの工場を丸ごと接収・移設して「コンタックス」のコピー機「キエフ」を作っています)。
 日本も「ドイツに追いつき追い越せ」でしたが、やがて“ユニークなカメラ”が次々登場し、その名を世界に知られることになっていきます。プロのカメラマンたちは「ブランド」ではなくて「良いネガ(良い写真)が得られること」が最優先ですから、「良いカメラ」ならこだわりなく使うのです。
 露出、シャッター機構などのメカニカルな話や、レンズの収差などについての基本的な話も本書では紹介され、「カメラ」とはなんぞや、ということについての理解が深まります。
 35mm一眼レフカメラは、日本メーカーの独壇場となりました。キヤノンAE-1とかニコンFMとか懐かしい名前が次々登場します。しかし競争があまりに厳しく、第一次石油ショックもあり、倒産するメーカーが相次ぎました。TTL測光とかオートストロボとか、ハイテクはどんどん進化します。ところが1986年に「写ルンです」が登場。これは笑っちゃうくらいのカルチャーショックでしたね。
 そして、オートフォーカスの時代もやって来ます。最初に登場した実用的(プロでも使える)オートフォーカス一眼レフはミノルタのα7000です。おっと、これは私も買いました。ただ、私の「腕」が、αよりは写ルンですの方にふさわしかったのは、残念でしたが。
 今はカメラ付きの携帯電話を持っている人がほとんどですが、こういった時代に「本格的なカメラ」にはどういった活路があるのでしょう? カメラメーカーにとっては受難の時代かもしれませんが、もし活路が見つかったら、ピンチはチャンスかもしれません。


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