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2017年01月08日10:37

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「ロスト・ワールド」

 私が子ども時代に初めて読んだときには『失われた世界』という邦題だったはずですし、21世紀の今では「ロスト・ワールド」と言ったら「ジュラシック・パーク」と返す人の方が多いかもしれません。だけど今日読むのは『悪魔の棲む台地』です。本書が1912年に発表されたときには単に『The Lost World』だったんですけどね。

【ただいま読書中】『悪魔の棲む台地 ──ロスト・ワールド』A・コナン・ドイル 著、 高野孝子 訳、 小学館、1995年、1460円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/409251011X/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=409251011X&linkCode=as2&tag=m0kada-22
 新聞記者のマローンは、恋人にいいところを見せようと「冒険」を渇望しています。そこで上司から与えられたのが「チャレンジャー博士との会見」。この会見自体が「チャレンジ」なんですけどね。
 チャレンジャー教授は「南米に恐竜がまだ生き残っている『ロスト・ワールド』が存在する」と主張。それを確認するために、科学に人生を捧げているサマリー教授、射撃の名手で万能のスポーツマンであるジョン・ロクストン卿、そしてマロリーが南米に出かけることになります。
 やっと目的地であるアマゾン奥地の「台地」に一行は到着。4人は台地に入ることに成功しましたが、そこで裏切りに遭い、4人は台地の上に取り残されてしまいます。さて、そこからが波瀾万丈の冒険活劇です。今読んでもこんなに面白いのですから、100年前の読者はきっと夢中になったことでしょう。
 そういえばアマゾン奥にはギアナ高地が存在していますが、著者はそのことを知っていたのでしょうか。もし知らずに書いていたのだったら、大した想像力です。
 「悪魔」が「実在の生物」をモデルにしている、というアイデアに初めて出会ったのは『幼年期の終わり』(A・C・クラーク)だと思っていましたが、実は本書の方が“先例”だったんですね。いや、これは私にとっては“新発見”でした。
 本書ではスリルとサスペンス、驚異とユーモアの波状攻撃が最後まで途切れません。しかもアマゾン奥地から途切れ途切れにもたらされる手記、という体裁が“現場の臨場感”を盛り上げています。チャレンジャー博士のシリーズを読みなおす気になりました。


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