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2016年12月04日09:09

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強行採決のつけ

 政府与党はずいぶん強引に採決を続けていますが、これ、何か「裏」があるのでしょうか。強行しなければならない何らかの切迫した事情か、あるいは強行しても大丈夫という絶対的な保証か。たとえばいくら無茶苦茶やっていても、もうすぐ国民が熱狂できる政治的イベントが隠し球として用意されているから次の選挙は大丈夫、ということなのかもしれません。これで私がすぐ思いつくのは「北方領土」です。ただ、ロシアが無料で返還(向こうから見たら譲渡)するわけはありませんから、このツケは結局日本にとって高いものにつくかもしれませんが。

【ただいま読書中】『第81Q戦争』コードウェイナー・スミス 著、 伊藤典夫 訳、 早川書房(ハヤカワ文庫SF1180)、1997年、699円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4150111804/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4150111804&linkCode=as2&tag=m0kada-22
目次(二部構成になっています):
 ・人類補完機構の物語「第81Q戦争」「マーク・エルフ」「昼下がりの女王」「人びとが降った日」「青をこころに、一、二と数えよ」「大佐は無の極から帰った」「ガスタブルの惑星より」「酔いどれ船」「夢幻世界へ」
 ・その他の物語「西洋科学はすばらしい」「ナンシー」「達磨大師の横笛」「アンガーヘルム」「親友たち」

 注目するべきは前半の「人類補完機構の物語」のパートでしょう。
 私が著者の名前を初めて知ったのは『スキャナーに生きがいはない』だったか『ショイヨルという名の星』だったかは忘れましたが、実はどちらでも良いです。その衝撃力というか、破壊力は、“特別”ですから。まあ、他の作品でもその異質性が私の常識にもたらす破壊力は同等ではあるのですが。
 「第81Q戦争」は、何も知らずに読んだら、ただの「無線で操縦される空中戦艦同士の戦争ゲーム」の描写のように見えます。しかし、発表されたのが1928年、著者が書いたのが14歳の時、と聞くと、あの時代にこんな無人兵器同士の空中戦闘を書いた中学生に対して、私は尊敬の念を抱きます。私自身が中学生のときに100年後の世界に通じる作品を書けたか、と言えば、当然「ノー」ですから。
 著者は「神の視点」から、人類の営みを眺めているのかもしれない、と作品を読んでいて感じることがあります。いや、「人類」ではなくて「人類を継ぐもの」もそこに含まれているのかもしれません。人類補完機構は明らかに「人類以降の存在」ですから。だけど、ちっとも非人間的な描写ではありません。エモーショナルでリリックで科学的で論理的で……コードウェイナー・スミスというペンネームの、前半と後半のギャップの激しさが示すように、その作品にもギャップの激しさがたっぷり含まれています。私はコードウェイナー・スミスが大好きです。


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