1)自他共に優秀だと認めている
2)自己評価は低いが他人は優秀だと認めている
3)自他共に優秀ではないと認めている
4)自己評価は高いが他人は優秀ではないと認めている
【ただいま読書中】『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女(上)』ダヴィド・ラーゲルクランツ 著、 ヘレンハルメ美穂・羽根由 訳、 早川書房、2015年、1500円(税別)
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「ミレニアム」シリーズの「1」〜「3」は、スリリングな展開で慎ましやかだがタブー抜きにセクシャルでフェミニズムの香りが漂うスタイリッシュで骨太な冒険小説でした。しかし作者のスティーグ・ラーソンは心臓発作で急死。ラーソンはミレニアムの10部までの構想を持っていて第4部の構想の一部がパソコンに残っていたそうですが、出版社はそれとは無関係に「ミレニアム」シリーズを新しい作家で継続することを決定しました。さて、元のシリーズのテイストが引き継がれているかどうか、不安を感じつつ私はページを開きます。
まずは自閉症の少年アウグスト(とそのダメ父フランス)が登場。レギュラーメンバーのミカエルの登場は第2章まで待たなくてはなりません。
ミカエルは不遇です。大きなネタに恵まれず雑誌「ミレニアム」は売れなくなり、SNSでミカエルに対する個人攻撃が高まっています。「ミレニアム」は、評判の悪い出資者からの出資を受け入れざるを得なくなり、編集方針が変更されようとしています。しかし、ミカエルは“意欲”を欠いています。戦う意欲、不正を追及する意欲、生きる意欲……
フランスは、人工知能の世界的権威でした。ところがその仕事がハッキングされ、それを調査したのがどうやら天才ハッカーのリスベットらしい、と知り、彼女と因縁のあるミカエルは動き始めます。ほぼ同じ頃、アメリカNSAのシステムが侵入を許してしまいます。アウグストは描画の才能を開花させます。
社会の暗部がじわりと登場人物たちの回りにしみ出てきます。そのサスペンスの中で「人工知能」「自閉症」などの“重たいテーマ”が展開されます。ああ、著者がかわっても、本書は『ミレニアム』です。
フランスは決断が遅れに遅れ、そのために息子とミカエルの目の前で射殺されてしまいます。危うく殺されかけたミカエルは、フランスとも繋がりを持つリスベットに救いを求めます。一体この世界で何が起きているんだ?と。
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