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2016年10月15日07:12

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年金カット

 アベノミクスによって本当に「実質賃金が上昇」「デフレからは脱却」したのだったら、どうして「物価や賃金が下がったらそれに連動させて年金を下げる法案」を作ります? そんなものは不要でしょう?
 言っていることとやっていることが食い違っているように見えるのですが。

【ただいま読書中】『金融政策の「誤解」 ──“壮大な実験”の成果と限界』早川英男 著、 慶應義塾大学出版会、2016年、2500円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4766423569/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4766423569&linkCode=as2&tag=m0kada-22
 黒田総裁が率いる日本銀行が2013年4月から開始した「量的・質的金融緩和(俗称「異次元緩和」、英文略称はQQE)」は、必ずしも「リフレ理論(経済学者の主流派には相手にされていないもの)」だけに基づくものではない、という指摘から本書は始まります。ただQQEが「マネタリーベースの政策」であることには間違いがありません。
 著者は「短期決戦のつもりだったら良かったのに、“勝ち逃げ”の時期を逃した」と言います。アベノミクスが始まって2年の時点(円安、株高、インフレ率は1.5%)で「勝利宣言」をして「出口」に向かえば良かったのに、そこで深追いをしたため傷が深くなった、と言うのです。日銀は「原油安」をアベノミクスが不調になった“すべての原因”にしていますが、著者は「日本企業の“裏切り”(設備投資をしない、賃上げもしない)」「市場が日銀に不信感を持った」「マイナス金利によって金融機関が日銀に反感を持った」「消費者心理の悪化」「財政規律の弛緩」などを指摘します。
 著者は「マイナス金利」を否定しません。長期的には景気や物価にプラスの効果を示すだろう、と予想しています。ただ、この政策導入のやり方やタイミングが不適切だった、という評価はしています。
 著者にとってQQEは「実験」です(理論的根拠がありませんから)。その実験によってわかったのは「日本経済の長期低迷の原因は、デフレではなかった」ことです。「デフレ脱却」をしても日本経済の実態は改善していないこと、がその主張の根拠です。では解決策はといえば、「アベノミクスの3本目の矢(構造改革)」だ、と著者は主張します。
 「短期決戦」とは良いキーワードを見つけたものだと私は感心します。私は即座に太平洋戦争のことを想起しました。緒戦の勝利に気をよくして“勝ち逃げ”をせずに戦線を拡大し続け、戦力を逐次投入していった日本軍の姿を思い出すと、「リフレ論者」は「日本軍は無敵だ」「大和魂があれば勝てる」論者だし、日銀の発表は「大本営発表」になります。で、「出口」を迎えたとき(日銀に(膨大な国債を高く買い安く売ることで)莫大な赤字が積み重なり、それを解消しなければならなくなったとき(もちろんそれには国民の税金が使われます))、不幸になるのは一般国民です。総裁たちはどうせ多額の退職金をもらって悠々自適でしょう。せめてその退職金を「マイナス金利の長期国債の現物給付」なんかにできませんかねえ。


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