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2016年09月26日07:14

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読んで字の如し〈草冠ー30〉「蓮」

「一蓮托生」……一つの蓮根に人生を托する
「蓮の葉」……軽い子供なら上に立てる
「蓮飯」……主食は蓮
「蓮の天麩羅」……なぜか輪切りばかり
「蓮田」……米は植えにくい田圃
「泥中の蓮」……なぜか米はこんなことを言われない
「蓮の宿」……屋根が蓮で葺いてある宿舎
「紅蓮」……最初から食紅色の蓮根
「白蓮」……最初から白色の蓮根
「木蓮」……木質の蓮
「蓮根鼻」……ただし穴の数は二つ

【ただいま読書中】『問う者、答える者(下)』(混沌の叫び2)パトリック・ネス 著、 金原瑞人・樋渡正人 訳、 東京創元社、2012年、1900円(税別)
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 いつもの癖でまず目次を見ます。すると、上巻の始まりの章は「終わり」だったのに対応して、本書の最終章は「はじまり」です。かつて地球人と異星人が戦い、さらに地球人同士も戦った(そして今でも戦い続けている)星の戦乱状態が、どのような「はじまり」で終わることができるというのでしょうか?
 トッドはなぜか総統に目をかけられています。総統は自分の息子(浅慮で短気)よりもトッドの方を買っている様子です(戦略的な欺瞞かもしれませんが)。ともかく総統は自分の思考をまき散らしてしまう「ノイズ」をコントロールする術をトッドに伝授しようとします。
 「目をかける」と言えば、ヴァイオラもアンサー部隊のボスに目をかけられています。しかしそれは明らかに「利用」を目的としていました。
 そして、トッドは総統の部下たちに、ヴァイオラはアンサー部隊のほとんどから、反感を持たれています。2人の“居場所”はありません。
 襲撃の夜。町の強制収容所をアンサー部隊が襲い、囚人たちを救出します。囚人というか、元は人間だったけれど,強姦と拷問と餓死寸前までの食糧制限とで今は人間とは別の存在に貶められてしまった存在を。ヴァイオラは復讐を誓います。
 襲撃の夜。この星の原住民スパクルを収容していた修道院(トッドが監督して土木工事をしていた所)もアンサー部隊に襲われました。そして、1150人のスパクルは全員アンサー部隊に殺されます。スパクルに感情移入していたトッドは衝撃を受け、アンサー部隊へ対抗するアスク部隊に参加することを決心します。
 トッドは総統にスパイされ利用されています。そしてヴァイオラもまた、アンサー部隊の長にスパイされ利用されていました。やっと出会った二人はそのことを知り、そして総統の手に落ちてしまいます。
 人を信じようとする人と、人を信じないで上手く利用しようとする人とが対決したら、勝敗は最初から見えています。トッドとヴァイオラはそのため、窮地から窮地へと移動をし続けます。そして、植民船がもうすぐ「新世界」に到着するという日、アンサー部隊とアスク部隊との最終決戦の夜、人類を敵とみなすスパクルが大集結して町を襲撃してきます。逃げ場はありません。「人を殺さない」「常に選択肢はある」と呟きながら生きてきたトッド(とヴァイオラ)に、今どんな選択肢があるのでしょうか、というところで本書は終わってしまいます。これが「はじまり」なのなら、この物語はここからどのように「始まる」のでしょう?


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