mixiユーザー(id:235184)

2016年07月13日08:30

253 view

雷一発

 昭和の時代に私が育った地域では「雷が鳴ると梅雨が明ける」と言っていました。雷は「梅雨明けの原因」ではなくて、夏型の気圧配置となって梅雨前線が押し上げられ、その「結果」として「雷」と「梅雨明け」とがもたらされる、ということです。ちなみに当時の梅雨は「しとしと」でした。
 ところが最近は、梅雨はゲリラ豪雨、雷は梅雨の最中でもお構いなし、とずいぶん天気は荒っぽくなってしまいました。天気が変です。
 今朝も夜明け頃に雷が目覚まし時計の代わりをしてくれて、なんだか今日は私の体の調子も変です。

【ただいま読書中】『監察医が泣いた 死体の再鑑定 ──2度は殺させない』上野正彦 著、 東京書房、2016年、1400円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/448780969X/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=448780969X&linkCode=as2&tag=m0kada-22
 『死体は語る』という印象的な本を書いた人の、最新刊です。今回も「死体は語る」なのですが、本書に特徴的なのは「再鑑定」の事例が集められていることです。一度誰かが鑑定をして、それに対して疑問を持つ人が著者に再鑑定の依頼を持ち込み、著者がそれを受けた事例の中から9つのエピソードが紹介されています。
 ネタバレになってはいけませんから個々の内容には触れませんが、和歌山カレー事件で最初に「青酸反応がプラス」ということで話が迷走した理由が本書では明確に書かれていたのが印象的でした。著者にとってはただのサイドストーリーなのですが、「物事に本当に詳しい人」というのは「定型的と非定型的の両方をよく知っている人」で、かつ「知識だけではなくて現場もよく知っている人」であることが本書からよくわかります。日本だと「専門家=知識だけよく知っている人」である場合が多いのですが。
 アメリカのテレビの「CSI」とか「NCIS」とかを見ていると、死体の検査は本当に徹底的で感心するのですが、日本の場合には本当に基礎的な知識を欠いたまま実務にあたっている人がやたらと多いのか、と本書を読んでいるとちょっと不安を感じてしまいます。まあ、あまりにひどい人は実は少数だからこそ目立つのですが(それが多数派だったら「ひどい」がデフォルトになりますから目立たなくなります)。
 ともかく、医学的知識がなくても、けっこう楽しめる本です。


0 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2016年07月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31