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2016年06月20日07:02

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チャンピオン

 チャンピオンになるためには、まずチャレンジャーにならなければなりません。

【ただいま読書中】『子どもの貧困と教育機会の不平等 ──就学援助・学校給食・母子家庭をめぐって』鳫咲子 著、 明石書店、2013年、1800円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/475033894X/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=475033894X&linkCode=as2&tag=m0kada-22
 平成17年文部科学省の全国調査(すべての小中学校が対象)で、9万9千人(全体の1.0%)が給食費未納、未納総額は年間22億円であることがわかりました。21年と22年は抽出調査でしたが、未納の状態は改善していないことが推定されています。マスコミは「保護者の責任感や規範意識の欠如」と報じました。しかし学校側は「保護者の責任感や規範意識の欠如」が主因だが「保護者の経済的な問題」が伸びてきている、と認識しています。「払わない人」が多いが「払えない人」が増えてきている、ということです。ここで問題は「生活保護あるいは就学援助制度の受給対象資格を有しながら申請をおこなっていない」事例の存在です。年間収入が100万円未満のひとり親世帯での生活保護利用は14%! 利用しない(できない)理由はいろいろですが、恐ろしいのは、収入が少なくなるほど「制度の存在を知らなかった」と答える率が増えることです。
 就学援助には、「学校病(六種の病気)」の援助、学用品、給食費とありますが、それぞれ“担当”が違います。学用品と給食は文部科学省ですが、前者は初等中等局児童生徒課、後者はスポーツ・青少年局が所管しています。だから統計もすべて縦割り。全体像が把握しづらいように制度が設計されています。
 現在の日本では、正社員が2/3、パートなどの非常勤が1/3となっています。ところが母子家庭の母親の職業は半数以上が非常勤。正社員の口がなかなか見つかりません。パートの問題点は、給料の少なさと年金にきちんと入っていない人の多さです。EUではフルタイム労働者とパートタイム労働者で社会保険制度の加入を差別してはならないことになっているんですけどね。日本は「差別」が大好きなようです。
 災害もまた弱者に強烈なしわ寄せをします。実際には「災害」ではなくて「社会」がそのしわ寄せをおこなうのですが。東日本大震災で著者が目撃したのは、弱者および貧困者ほど「被害」がひどくなる現実でした。自然災害ではなくて人災がひどかったのです。
 国際的にも「子供の貧困」に対する日本の政策の“やる気のなさ”は知れ渡ってしまっています。口ではいろいろ言いますが、その行動を見る限りデータをきちんと得ようとせず予算をきちんと執行しようとしないのですから、そこから「やる気のなさ」は一目瞭然です。自然災害がなくても今の日本社会には「人災の嵐」が吹き荒れているようです。


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