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2016年06月11日06:33

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政治家資金

 桝添さんの言い分をすべて認めたら「政治家が生きていくこと自体がすべて政治活動(の一部)である」となります。絵画で財テクするのも漫画を読むのもホテルに家族と泊まるのも「政治活動」なんですから。だったら「減給」なんてケチなことは言わずに都知事としての報酬はすべて返上して、「政治資金」だけで生活していったらどうです? 全部無税だからかえってお得でしょう。あ、その場合には「政治資金」ではなくて「政治家資金」と呼べば良いのでは?

【ただいま読書中】『神経症と文学 ──自分という不自由』大本泉・後藤康二・二木文明・北條博史・千葉正昭 編、鼎書房、2014年、2200円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4907282125/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4907282125&linkCode=as2&tag=m0kada-22
 夏目漱石が自分のことを「神経衰弱」と自称していたことは有名です。当時の日本ではそれまでの「狐憑き」「物狂い」「気違」などが西洋の「病名」で表現されるようになっていた時代でした。興味深いのは、漱石の時代には「歇斯的里(ヒステリー)は女の病気、神経衰弱は男の病気」という性差が存在することです。この「神経衰弱」およびロンドンで強く感じた孤独感や寂寥感は『道草』に色濃く投影されています。幻聴や被害妄想といった精神症状だけではなくて、吐血や下血を繰り返す状態で、たった10年であれだけの作品群を発表したのですから、すごい人だと思います。
 その他『青春物語』(谷崎潤一郎)では「恐怖症」、『蔵の中』(宇野浩二)では「ヒステリー」、『遙拝隊長』(井伏鱒二)では「頭部外傷後遺症と心因反応」、『杳子』(吉井由吉)では「自閉症スペクトラム」、『恍惚の人』(有吉佐和子)で「アルツハイマー型認知症」、『凶人日記』(色川部大)で「ナルコレプシー」、『阿弥陀堂だより』(南木佳士)で「パニック障害」、『コンセント』(田口ランディ)で「解離性障害」、『海辺のカフカ』(村上春樹)で「心的外傷、エディプスコンプレックス」、など、本書の内容は盛りだくさんです。
 社会で「神経症」がどのように扱われているか、は文学に反映しているはずですが、そこに「著者というフィルター」があるため、後世の人が「文学を読むこと」から当時の社会を想像しようとしたら注意が必要になるでしょう。しかし、手練れの作家の場合、病気だけではなくて「社会の本質」までもえぐり出して描写している場合がある、と私は考えています。本書で扱われている作品、読んだことがあるものもないものもありますが、少しずつ読んでみたくなりました。


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