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2016年04月21日07:09

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神の名の目的外使用

 性的マイノリティやLGBTを嫌ったり攻撃する人がいますが、その中に「神の名」を持ち出す人がいるのが私には不思議です。「産めよ増やせよ地に満ちよ」という神の言葉に反した行為だから、がその攻撃の根拠らしいのですが、だけど神が万物の創造主なのだったら「性的マイノリティやLGBT」を創ったのも神でしょ? その神の創造物を神の名をもって攻撃するのは、つまりは神を攻撃しているのと同じ、つまり不信心者、と私には感じられるのです。「産めよ増やせよ地に満ちよ」は「できる人間は」が前提条件としてくっついているのでは? 不妊の夫婦だって神は認めているのですから。

【ただいま読書中】『タネをまく縄文人 ──最新科学が覆す農耕の起源』小畑弘己 著、 吉川弘文館、2016年、1700円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4642058168/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4642058168&linkCode=as2&tag=m0kada-22
 野生ではない栽培ダイズは弥生時代に米と一緒に日本にやって来た、が従来の定説でした。しかし著者は縄文土器に栽培ダイズの圧痕(土器制作時に豆が粘度に混じって水分を吸って膨潤、乾燥、焼かれることで残した跡)があることに気づきます。つまり縄文時代から豆の栽培がおこなわれていたらしいのです。
 中部〜東日本の遺跡では、縄文時代前期の土器からは野生種の豆の圧痕が見つかりますが、中期以降は栽培種の豆(ダイズやアズキ)が見つかるようになります。そして縄文時代後期には東日本の遺跡は大型化し数が減ります。西日本では、縄文期後期から栽培種の豆が見つかるようになります。すると、日本では東から豆の栽培がはじまりそれが西に伝播した(というか、人の移動がおこなわれた)らしいのです。そういえば縄文時代に地球は寒冷化していましたね。人は少しでも温かいところを目指して動いたのかもしれません。
 著者が気づいた「縄文時代の農耕」は「弥生は農耕、縄文は狩猟採集」という思い込みが強い人にはなかなか受けいれてもらえないようです。だけど1万数千年続いた「縄文」を単純明快に狩猟採集とまとめてよいのか?ということで、著者は次の証拠を提出します。コクゾウムシです。コクゾウムシの仲間は、「人が継続的に穀物を貯蔵する」という“環境”に特化して進化しました。藤原京のトイレ遺構からコクゾウムシの化石が発見されたとき、「米に紛れたコクゾウムシを食べたら糞便中に虫がそのまま排泄される」という仮説を立て、それを検証するために自ら人体実験を行った学者がいるそうです。著者もトイレ遺構からコクゾウムシを検出していますが、三内丸山遺跡で5万点の土器から18のコクゾウムシ圧痕を発見しています。その他の昆虫などの圧痕から、三内丸山では土器制作は屋内で行われたのではないか、と著者は考えています。さらに各地の遺跡から著者は精力的にコクゾウムシの圧痕を発見し続けていますが、では彼らは何を食べていたのでしょう? 米(や麦)の伝来は縄文後期以降のことですが、コクゾウムシは縄文前期から人と共存(寄生)していたのです。
 どうしてコクゾウムシが土器に混じるかと言えば、アクシデント(虫がのそのそしていて粘度ひもを作る工程に巻き込まれる)もあるでしょうが、人為(粘土の可塑性を高めるために籾などの有機物を混ぜる工程で一緒に入ってしまう)の可能性の方が高いと著者は考えています。さらにコクゾウムシは飛ぶのが苦手で、人が貯蔵穀物を運搬することで集落から集落に広まっていった、とも推定されています。
 圧痕とは表面から観察可能なものです。では、土器の内部に練り込まれてしまった“異物(遺物)”は過去についてもっと豊かな証言をしてくれるのではないでしょうか。土器を破壊せずにそれが簡単にわかると良いんですけどね。実際にX線機器やCTが用いられているそうですが、数千〜数万点の土器を検査するには手間とコストがかかりすぎるのが難点だそうです。このへんがもっとお手軽に“手に取るように”検査できたら良いのですが。


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