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2016年04月19日06:30

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御飯御飯

 この前近くのラーメン屋でちゃんぽんを食べていたら、目立つ若い衆3人が入ってきました。店員が「いらっしゃいませ」のあと「カウンターか、テーブルだったらここしかないんですけど」と一目見たらわかる店の状況を説明します。すると3人の中でもひときわ目立つ風体の人が「出入り口のそばで食えるか。窓際を空けさせろ」と。「カウンターで良いじゃないか」と仲間が言ってそれはそれで納まりました。で、次は注文の時。この店はちょっと面白くて、麺と餃子と御飯のセットがあるのですが、御飯の大盛りが無料のセットと御飯のお代わりが無料のセットが別になっているのです。一度不思議に思って聞いてみたら、「大盛りだと大体1.5杯分、お代わりだと2杯分になります。大盛りのお代わりは無料にはなりません」とのことでした。で、あの若い衆のことだから「大盛りのお代わりを無料で」と要求するかな、と期待していますと、「○○セット。御飯御飯」と言っています。「御飯御飯」? 店員も不思議に思ったらしく(というか、最初から警戒していたのかもしれません)「セットに御飯はついていますが……」と確認をしています。すると「御飯御飯と言ったら、お代わりを最初から持ってこい、に決まってるだろ!」と。
 ……決まってません。
 ……それとも、今の日本語ではそういう意味に決まってるんです?

【ただいま読書中】『プリズン・ストーリーズ』ジェフリー・アーチャー 著、 永井淳 訳、 新潮文庫、2008年、667円(税別)
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 著者が2年間の服役をしたときに、服役者から聞いた実話をもとにして書いた9つの短編を核にした短編集です。
 刑務所で聞いた話ですから、つまり著者に話をしてくれた人たちは全員捕まっているわけです。では全員が“犯罪に失敗”したのかと言ったら、それが一筋縄ではいきません。微罪で逮捕された単純な事件であるように見えて、実はとんでもない事実を隠しおおせていた、とか(これも一種の完全犯罪ですかね。微罪で大罪をマスクしているわけですから)、あるいは目を疑うような不思議な手口の“犯罪”とか(たとえばペットボトルに水道水を入れて飲ませる、なんて“犯罪”も登場します)、手を替え品を替え次々と「事実は小説よりも奇なり」と言いたくなる犯罪が「小説」として登場します。
 で、おそらく意図的でしょうね、明らかに犯罪や刑務所とは無関係な短篇も“お口直し”のように混ぜられています。でもこれもまた良い味を出しています。
 しかし、服役中でもこういった“材料”をきちんと仕入れるのですから、著者もただ者ではありません。見習いたいとは思いませんが。私は刑務所の外でもいろいろ面白い話には出くわし続けていますから。


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