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2016年04月08日07:17

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桜模様の自動車

 雨上がりの駐車場。きれいな桜模様の自動車が入ってきました。よく見ると濡れた車体に桜の花びらが点々とまぶしてあります。おそらく、雨の中、花が散る桜の木の下にしばらく車を停めていたのでしょう。車体が乾くまでの桜模様、その儚さも美しい。

【ただいま読書中】『ジーン・ウルフの記念日の本』ジーン・ウルフ 著、 酒井昭伸・宮脇孝雄・柳下穀一郎 訳、 国書刊行会、2015年、2400円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4336053200/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4336053200&linkCode=as2&tag=m0kada-22
 リンカーン誕生日(2月12日)から大晦日まで、アメリカの各種の記念日を18ピックアップして、それぞれにちなんだ短編を集めた本です。ただし、もう一つオマケの短編が含まれています。これは、本書を最初から最後まで読んだ人にだけ与えられる“褒賞”です。
 「ビューティーランド」(地球の日)は、「環境」についての短編ですが、「環境保護」を徹底的に裏返してくれています。読んでいてちょっと恐くなります。「カー・シニスター」(母の日)は……わははは、自動車がつわりになっちゃうって…… 「私はいかにして第二次世界大戦に敗れ、それがドイツの侵攻を防ぐのに役立ったか」(戦没将兵追悼記念日)では、チャーチルとヒトラーが自動車レースを展開します。「フォーレセン」(労働者の日)では「労働」だけではなくて「人生」までもが玩具のように扱われてしまいます。
 著者は「収録作品はいわゆるSFだが、多くはそう思ってはもらえないタイプ」と述べています。著者の意見が正しいかどうかは、読んだ人が決めれば良いでしょう。私の見解は「舞台はSF的だが、物語そのものはその環境に応じた実に真っ当なもの」です。だけど、本書を通じて流れる“違和感”は「これはSFである」と宣言しないと納得できない人が多いのかもしれません。


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