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2015年11月29日08:03

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クリミア戦争は19世紀

 ロシア機撃墜でトルコ側は「国境侵犯機に10回警告した」、ロシア側は「国境は侵犯していない。警告は聞いていない」とまったく言い分が食い違っています。もしかしたら「これまで10回も警告したのに無視しやがった。こんど来たら落としてやる」とトルコ側が固く決心していたところに、ロシア機が「ちょいとかすめてやれ」と国境のギリギリの所を攻めてしまった、というのが“真相”かもしれない、と私は思っています。で、その情報がトルコ大統領に伝えられるところで、伝達ミスか意図的な改竄かで「5分で10回も警告したのに侵犯を続けたから」になったのではないか、と。
 しかし、トルコとロシアの対立でフランスも関係している、と言って私がすぐ思うのは「クリミア戦争」です。そういえば最近ロシアががたんと国際的な“人気”を落としたのはクリミア併合によってでしたね。
 歴史は“変奏曲”を繰り返すのかな。

【ただいま読書中】『日米開戦(上)』トム・クランシー 著、 田村源二 訳、 新潮文庫、1995年、777円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4102472010/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4102472010&linkCode=as2&tag=m0kada-22
 トム・クランシーの本で今までに読んだことがあるのは『レッド・オクトーバーを追え』くらいだと記憶していますが、そこでの主人公ジャック・ライアンがこちらでも主人公を張っています。CIAをやめて株で金を儲けていたライアンは、大統領から安全保障問題担当補佐官就任を要請されます。
 「日米もし戦わば」といったタイトルの本は、戦前の日本で盛んに出版されていたそうですが、こちらでは舞台は戦後です。ちょうどこ本書が執筆されていた時代は日米貿易摩擦が派手に報道されていた時。思い出すとずいぶん遠い目になってしまいますが、まだほんの20年ちょっと前のことなんですね。
 太平洋戦争で家族を奪われた日本人が、復讐のためにサイパンで行動を始めます。インドはスリランカに対する領土的野心を抱き、警戒のためにインド洋を遊弋するアメリカ海軍の空母群にちょっかいを出そうとします。そこでなぜか、3年前の副大統領によるレイプ事件が登場します。これが“本線”とどうつながるのか、私は不思議に思いながら読み進めることになります。様々なエピソードが乱雑に登場しますが、どうせすべて“伏線”だろう、と思うのです。でも先は長いのです。上巻だけで700ページ以上あるのですが、現時点でまだ100ページにも到達していないのですから。さらにさらに、日本経済のバブルの破裂、円高、核廃絶の動き、自動車の欠陥燃料タンク、日本で政権交代……さまざまなものが織りなされて、世界は戦争へと突き進みます。
 「攻撃」はまず米国債の大量売り浴びせから始まりました。慌てたFRBは緊急利上げ。これは株価の低下をもらたしますが、そこに第二の攻撃が。株式市場は崩壊寸前となります。そこに金融市場を管理するコンピューターの中で“イースター・エッグ”が孵ります。次は日米合同演習で「不幸な事故」が。さらにサイパン島の占領。
 精密に練り上げられた戦争計画が発動されたのです。米露の諜報機関は、これまでの確執を棚上げとし、(一時的かもしれませんが)協力することにします。世界は変わったのです。
 話を進めやすくするために真に影響力を持つ「統治者」は本書では単純化されています。アメリカではロビーイストと有権者とマスコミ。日本では経済界の大物。ちょっと単純化しすぎではないか(いくら首相就任という“餌”があっても、それで開戦の決断はしないだろう)とは思いますが、日本の政治が不透明で経済からの影響が大きすぎる、という見方はあながち大間違いでもないのではないか、とも思えます。


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