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2015年11月27日07:01

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読んで字の如し〈草冠ー18〉「葉」

「紅葉」……黄葉は含まれない
「青葉」……青ざめた葉っぱ
「本葉」……偽物ではない葉
「中葉」……手頃な大きさの葉
「千葉」……999葉の次
「万葉」……千葉×10
「秋葉原」……春夏冬の姿は誰も知らない
「巻葉」……そのまま乾燥させたら葉巻になる
「売り言葉」……言がプリントされた売りものの葉

【ただいま読書中】『きょうも上天気』大森望 編、浅倉久志 訳、 角川文庫、2010年、629円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4042982131/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4042982131&linkCode=as2&tag=m0kada-22
目次:「オメラスから歩み去る人々」(アーシュラ・K・ル・グィン)、「コーラルDの雲の彫刻師」(J・G・バラード)、「ひる」(ロバート・シェクリイ)、「きょうも上天気」(ジェローム・ビクスビイ)、「ロト」(ウォード・ムーア)、「時は金」(マック・レナルズ)、「空飛ぶヴォルプラ」(ワイマン・グイン)、「明日も明日もその明日も」(カート・ヴォネガット・ジュニア)、「時間飛行士へのささやかな贈物」(フィリップ・K・ディック)

 古手のSFファンにはおなじみの作品が並んでいます。ただ、冒頭の「オメラスから歩み去る人々」を読む前に私は深呼吸をしました。昔(たぶん数十年前)に読んだときには「なんか、すごい思弁」とだけ思いましたが、数年前に読んだ『これからの「正義」の話をしよう』(マイケル・サンデル)でこの短編についての言及があって、それ以来ずっと脳になにかが引っかかった気分なんです。それが解消できたら、とやっと思えて本を手に取ったのですが……
 ひとりの人間(それも子供)に世界のすべての不幸を背負わせ、その代償として喜びと幸福を約束されている“理想社会”であるオメラス。心の疚しさとか倫理とか正義とか、そういったことばの“意味”を具体的に考えさせることを読者に強いる、本当に思弁的な作品です。でも、やはり「何か引っかかった気分」は解消されませんでした。
 他の作品も、古いけれど読み応えがあるものばかり。で、このアンソロジーのコンセプトは「翻訳者」です。すべて浅倉久志の訳。翻訳者と編者に、「こんな良いものを読ませてくださって、ありがとうございます」と平伏したくなります。


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