ムスリムの宇宙飛行士の場合、祈りを捧げるべき「メッカの方向」はどちらになるのでしょう? 祈りの時間は、いつかな?
【ただいま読書中】『幼年期の終わり』アーサー・C・クラーク 著、池田真紀子 訳、 光文社古典新訳文庫、2007年、743円(税別)
この前読書した『ふわふわの泉』で「愛らしいアイドル調の異星人」の姿を見て、突然『幼年期の終わり』の悪夢が結晶したような異星人のことを思い出しました。思い出したから、再読することにします。今世紀に入ってからだけでもこれで何回目かの再読ですが、それでも楽しめるのですから、つくづくすごい作品だと思います。
元々の作品は1952年に執筆されています。本書ではその第一部を1980年代にリライトしているわけですが、やはり「50年代の残渣」はあります。たとえば「ラジオ」が大きな役割を果たしていますし、インターネットは影も形もありません。だけど「それがどうした」です。「大きな物語」が「より大きな物語」に飲み込まれ、それがさらに「もっと大きな物語」へと発展していく過程は、本当にスリリングで知的興奮をしっかり味わうことができます。
いやあ、楽しかったなあ。さて、また細部を忘れた頃に再読することにしましょう。
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