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2015年11月09日06:49

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現場保全

 発掘調査と犯罪の現場検証とは、似た手続きが適用されるべきだと私は考えています。発掘調査員や捜査員が「現場」に様々な「物的証拠」や「自分のDNA」をばらまいたら、「真犯人の手がかり」は見つけにくくなるでしょう? で、発掘でも犯罪調査でも、そういった細心の注意はすべての「現場」で払われています?

【ただいま読書中】『衛星軌道2万マイル』藤崎慎吾 著、 岩崎書店、2013年、1500円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4265075061/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4265075061&linkCode=as2&tag=m0kada-22
 子供の時に夢中になって読んだ本の一冊が『海底2万マイル』(ヴェルヌ)です。あまりに夢中だったので、夏休みの宿題の「読んだ本の感想を絵に描く」にもこの本を採用しましたが(たぶん夏休みの間に何十冊か読んだけれど、この本が一番印象が強かったのです)、海底で潜水服の人間がなにやらしている、というもやもやした絵にしかなりませんでした。
 さて、『衛星軌道2万マイル』ですが、タイトルは明らかにヴェルヌからです。で、カバーのイラストが、私が夏休みの宿題で描きたかったタイプの絵ではありませんか。潜水服、じゃなかった、宇宙服を着た少年が、巨大なイカの化け物と戦っています。ああ、この絵のタッチ、当時私が読んでいた本の挿絵もたしかこんな味だったっけ。いやもう、懐かしさ、フルスロットルです。
 主人公の石丸真哉は地球衛星軌道で漁をする宇宙漁船「彗星丸」の乗組員、12歳。彗星丸はもっぱらデブリマグロをメインの獲物とし、ついでにサメも退治しています(ちなみにデブリマグロの餌はデブリイワシです)。地球周辺がデブリで一杯になってしまって、そこに人工知能のなれの果てやナノマシンなども混ざって「進化」が起きたんだろうな、と私は考えます。
 さて、おんぼろ船をだましだまし漁をしていた彗星丸ですが、そこに救難信号が。豪華客船がデブリクラゲと衝突して、救難ポッドで乗客がばらまかれてしまったのです。で、その一隻を彗星丸が救うことに。ポッドに乗っていたのは、大金持ちの子供の姉ローズと弟ジャック。当然わがままいっぱいに育っています。おんぼろ漁船で満足するわけがありません。だけど、地球から迎えが来るまではローズとジャックは漁船暮らしです。さて、そこでのてんやわんやですが…… しかし微少重力環境下でどうやって餅つきをするか、なんてところには本当に笑えます。
 デブリ○○は少しずつスケールアップ。とうとう最後にはデブリ鯨まで登場します。またその途中で登場するのが、石丸君の過去の話、モールス信号の意外な効用、そして最後にはワームホール。おお、先日読書した『タイムマシン開発競争に挑んだ物理学者たち』にも登場した、極めて科学的な真っ当なアイテムではありませんか。
 子供時代のわくわく感をなつかしく思い出しました。いやあ、読んで良かった。


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